2004 Fiscal Year Annual Research Report
〈冷戦後〉の時代のドイツ文学-2000年代を中心に-
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14510592
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
初見 基 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (90198771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高本 教之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)
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Keywords | 渦去の克服 / 記憶の場 / ホロコースト記念碑 / ヴァルザー=ブービス論争 / ボート・シュトラウス / イラク戦争と知識人 / ドイツにおける<1968年>の意味 / ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、第一に、ドイツ語圏における同時代文学の趨勢を追うこと、そして第二に、そうした同時代文学の検討を通して、いわゆる「戦後文学」を20世紀文学という枠のなかで位置づけ直す理論的作業を行なう、という二点に集約される。 平成16年度でも昨年度に引き続き、1)資料の収集・整理という実務的な作業と、2)実質上の研究内実として、作品・資料を読み込み、そして研究会を通じてそれを理論的に検討・考察してゆく、という二つの柱が中心になった。 1)資料の収集・整理作業は、予定通り順調に進捗した。主として、新聞・雑誌、及びインターネットのウェブサイトといった媒体から、政治文化の変動を如実に表わすような議論・発言、新しい文学作品をめぐる記事などを、系統的に収集した。今年度とりわけ重点を置いて着目した主題は、近年においていわゆる<過去の克服>がいかなる様相を示しているかであり、より具体的には「負の過去をいかに表象するか」「記念碑・象徴の意味」などに関する議論が挙げられる。また、イラク戦争をめぐる議論と並び、さらに、最近の若い作家による作品からはとくにドイツにおける<1968年>の意味を問うたものが目立ってきていることもあり、これについての重点的な資料収集に努めた。 2)実質的な研究面では、諸研究会での討論、意見交換がさかんになされた。1999年以降東京都立大学を会場に、近隣在住研究者、オーバードクター、大学院生らによって構成されている、ドイツ現代文学を扱った月例研究会では、上記の<過去の克服>をめぐり、「ヴァルザー=ブービス論争」、「ホロコースト記念碑」、「ハンス・ユルゲン・ジーバーベルクの映画「ヒトラー」をめぐって」などについての報告・討論がなされた。 また、初見が編集委員として加わった、現代ドイツ文学を日本で紹介する雑誌「DeLi」(沖積舎)第3号が刊行された。
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Research Products
(4 results)