2003 Fiscal Year Annual Research Report
英日語の談話標識の歴史的発達:意味・機能の語用論化・主観化
Project/Area Number |
14510630
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小野寺 典子 青山学院大学, 文学部, 助教授 (90248899)
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Keywords | 談話標識 / 歴史的発達 / 語用論化 / 主観化 / 文法化 / 英日語 |
Research Abstract |
今年度交付申請書の「本年度の研究実施計画」(1)(2)(3)に対応して述べる。 (1)本研究について特に歴史言語学の分野から指摘を受けていたが、今年度、国内外の歴史言語学研究者からご意見を頂戴し、通時的分析全般のデータの見直し、再考をして、論文の改訂版の執筆を3月に終えた。 歴史言語学から頂いたポイント2点は、日本語の過去のデータの取り扱いについてである:(1)上方語(後の関西語)と江戸語(後の東京語、標準語)は全く別の発達の経路をたどったものなので、データは区別して使うのが望ましい。(2)日本語は大きく古代日本語(室町時代より前)と近代日本語(室町以降)に二分される。現代日本語で用いられている言語形式の発達を観察するには、近代日本語のみに絞った方が良いのではないか。 改訂版では、東京語の流れを見ることを基本的立場とし、室町時代より前の日本語と上方語については「二次的情報」として扱うことを明記した。 (2)2003年7月、カナダ・トロント市で国際語用論会議が開かれたが、5月頃から世界規模でSARSが流行し、トロント市も感染地域となった。このため、学会への参加者は半減、参加予定だったシンポジウム"Exploring the relationship among culture, interaction and language : Contributions from Japanese"自体がキャンセルされた。このため、予定していた論文"Pragmaticalization and grammaticalization : Processes that relate culture, interaction and language"は発表できなかった。 (3)申請書に、関連図書の大部分を占める洋書が高価であることを記したが、科学研究費により備えることが可能となり、常に発表が続く論文を読み、自らの論文に参照した。
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