2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510634
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
原田 かづ子 金城学院大学, 文学部, 教授 (60156502)
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Keywords | 生成文法 / 言語獲得 / 統語発達 / 併合 / 連結操作 / 投射操作 / 照応形 |
Research Abstract |
本研究は、原理とパラメータの理論に基づいた研究であるが、本年度は、主として以下の5点について成果をあげることができた。 1.自然言語における中核的演算は、極小モデルでは「併合(Merge)」である。併合は、通常単一の演算とされているが、実は「連結操作(concatenation)」と「投射操作(projection)」という2つの操作の組み合わさったものと捉えることができる。このように併合を2つの操作の組み合わせとして捉え、子どもの2語文のデータを分析し直した。まず、2語文の定義が明白な英語のデータを研究対象とした。その結果、子どもはまず連結操作を使用し、その5〜6ヶ月後にはじめて投射操作を使うことが明らかになった。この成果は、2004年9月8日〜9日開催のWorkshop on Evolution and Syntax (International Institute for Advanced Studies)で口頭発表(9月8日)し、その内容を拡充し、Reanalysis of Children's Two-Word Utterances : A Minimalist Perspectiveとして『金城学院大学論集人文科学編』(第1号)に掲載した。 2.日本語の再帰形「自分」について「メタ言語意識の発達 資料集補遺:再帰形「自分」の照応的解釈」として公刊した。 3.疑問文および複合述語に関する縦断的データを整理し分析した。 4.1997年5月〜2001年1月に収集した日本女児2名のデータ84セッション分のうち未整理分について、7セッション分の文字化、9セッション分のコンピュータ入力が終了した。 5.2002年11月より収集開始した日本男児1名のデータを、2004年度もほぼ月1回のペースで13セッション分収集した。(なお、プライバシーには十分配慮している。)
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Research Products
(1 results)