2004 Fiscal Year Annual Research Report
東洋・西洋の「色彩」とそのイメージの比較文学・比較文化的研究
Project/Area Number |
14510647
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水島 裕雅 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10034597)
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Keywords | 色彩名 / 色彩語 / イメージ / シンボル / 東洋 / 西洋 / フランス象徴詩 |
Research Abstract |
東洋と西洋の「色彩」とそのイメージの比較研究を行う基礎として、まず日本と中国の古典詩歌集に見られる色彩表現の研究を行い、その一部は2003年8月に開催された「ヨーロッパ日本研究協会」第10回大会で発表したが、さらに考察を深め2004年7月に『エポス』第21号に「日本と中国の古代詩歌における色彩表現の比較研究」として発表した。つぎに、日本と中国の色彩表現の比較研究のために、両国を代表する隠者としての陶淵明と西行を取り上げ、「日中の隠者文学に見られる色彩-西行と陶淵明の作品に見られる色彩を比較して-」としてまとめた。また、西洋のおける色彩とそのイメージを知るための手がかりとして、フランス象徴詩における色彩表現の研究を行い、その成果を「ランボーとボードレールの「黒」と「赤」」としてまとめた。さらに、日本と西洋の色彩感覚を比較して考察するために、中原中也とフランス象徴派詩人たちの色彩感覚について研究し、「中原中也の色彩感覚について-フランス象徴派詩人と比較して-」という論文としてまとめた。最終年度なのでそれらをまとめ、研究成果報告書「東洋・西洋の「色彩」とそのイメージの比較文学・比較文化的研究」として刊行した。なお、この報告書には2004年度前期に客員研究員として研究代表者のもとで日本と中国の比較文化研究をしていた舒斌氏に「漱石作品における色のイメージ-「草枕」を中心に-」を寄稿してもらった。また研究代表の指導学生で博士課程後期在籍の李銀炯、陳愛華、黄金堂の3氏と研究をともに行い、李銀炯氏には「よしもとばななと申京淑の比較研究-色彩表現を中心に-」、陳愛華氏には「中島敦の作品における色彩」、黄金堂氏には「藤原公任と白居易の文学における色彩表現」を寄稿させた。
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Research Products
(2 results)