2004 Fiscal Year Annual Research Report
権威的法典籍が近・現代の法学・法実務に及ぼす現実の影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
14520001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 孝 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10241506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 貞夫 関東学園大学, 法学部, 教授 (30005764)
小室 輝久 明治大学, 法学部, 講師 (00261537)
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Keywords | ブラックストン / イングランド法釈義 / 権威的法典籍 / 英米法辞典 / Blackstone / books of authority / law dictionary |
Research Abstract |
昨年度までは、ブラックストン著『イングランド法釈義』諸版の頁付異同の混乱要因を解明したうえ、今後の底本とすべき版(第九版(1783年))の特定を果たし、また底本自体が掲げる索引項目を電子情報化する作業の大半を終えたので、今年度は以下の作業に主として注力した。 すなわち、底本の索引項目を基礎とする「法律用語・法概念集」の対象用語を確定するために、各種歴史的法律辞典の項目と底本の索引項目との突き合わせ、および歴史的法律辞典が『釈義』を引用・参照する例の列挙作業を進めた。これは、既に本研究によって得られた、千数百の索引項目数のすべて、および五千を超える索引指示対象頁のすべてに対して行うべき、膨大な作業であり、今年度は残念ながら研究補助者による相当長時間の研究補助を充分に確保できなかったので、未だ作業の途上にある。これと同時に、わが国の代表的な英米法辞典所掲の項目につき、『釈義』の索引項目との突き合わせ作業を進めた。その結果、十九世紀から二十世紀初頭にかけての各種法律辞典において、『釈義』はその項目および内容の双方について非常に影響力が大きく、これがわが国の英米法辞典にもほぼそのまま受け継がれているという、本研究全体の当初の見込みがおおむね確認されつつある。 来年度は、上記の作業を完成して、独自の、「ブラックストンを基礎にした、近代法律用語・法概念集」のごときものを作成する予定である。
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