2004 Fiscal Year Annual Research Report
離婚当事者の法使用における相談ネットワークと弁護士の役割
Project/Area Number |
14520002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
村山 眞維 千葉大学, 法経学部, 教授 (30157804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝造 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40152136)
金子 敬明 千葉大学, 法経学部, 助教授 (80292811)
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Keywords | 離婚 / 離婚紛争 / 協議離婚 / 民事紛争 / 紛争処理 / 法律相談 / 離婚相談 / 弁護士 |
Research Abstract |
この研究は、離婚に関連する東京の自治体相談窓口を中心に、離婚に直面した当事者に対する相談サービスがどのように提供されているか、そこでの弁護士の役割はどのようなものかを、経験的データを収集することによって明らかにしようとしたものである。3年間の研究期間の間に、まず東京都内のすべての市、区、町に質問票を送り、相談業務提供の状況について調査を行った。その結果、241の相談窓口から回答を得ることができた。その結果によれば、離婚に関連する相談窓口は多岐にわたり存在するが、主に、法律問題について、経済問題について、および精神的問題について、の3種の問題についての相談が行なわれている。法律問題は、法律相談に限らず他の窓口、特に家庭相談においても扱われている。多様な相談窓口のなかでは、法律相談への需要は大きく、法律相談が他の相談に比べて1回の相談時間が短く、かつ最も忙しい窓口になっている。 次に、質問票調査に協力してくれた241の相談窓口に対して、相談に訪れた利用者に対して質問票を渡してくれるよう依頼を行なった。これは研究代表者がおよそ200の窓口を訪問して依頼したが、拒否率が半数近くにのぼり、容易に受け入れてもらえなかった。このため、利用者から回収できた質問票は45にとどまる。利用者が相談したかった問題は、経済的不安が多く、次いで慰謝料、養育費、財産分与などとなっている。窓口には、自治体広報紙で存在を知り、家族親戚に問題を相談したあと、費用がかからないからまず解決に役立つかどうか来てみるというのが主なパターンのようである。 なお、自治体相談窓口の法律相談を中心とする相談サービス提供状況については、国際法社会学会法専門職WGの会議(フランス、2005年7月)において報告を行なった。
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