「行政的な訴え」の類型と「日本型」処理手続--近世日本を対象として--

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14520016
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 大平 祐一 立命館大学, 法学部, 教授 (00102161)
• Keywords: 行政的な訴え / 訴願 / 行政訴訟 / 訴え / 訴訟 / 請願

Research Abstract

昨年は研究の初年度に当たり、基礎資料の収集と整理に力点を置いた。今年は(1)昨年集めた基礎資料を読みこなし、その中から「行政的な訴え」についての処理手続の類型を可能な限り抽出するとともに、その処理手続の解明に向けて予備的作業に取り組んだ。具体的には、『大阪編年史』全27巻から一定数の「行政的な訴え」についての具体的史料を抽出し、その手続を明らかにする作業を進めつつある。また(2)昨年度は取り組むことのできなかった江戸の「行政的な訴え」について各種県史、市史を探索することが一定程度でき、関連史料もある程度集めることができた。(3)昨年集めた古文書類(複写史料)については解読に手間取り、目下解読作業を継続中である。解読作業はしばらく続きそうである。(4)『東京市史稿』全150巻についても、住民からの「行政的な訴え」についての史料を目下点検・収集作業を進めているところである。(5)訴願、「行政的な訴え」の手続的特徴を対比して明らかにするために、今年は通常の「民事的な訴え」に関する古文書史料(江戸東京博物館所蔵)をいくつか収集した。収集した古文書を解読する作業は次年度も引き続き継続して行く必要がある。