2004 Fiscal Year Annual Research Report
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14520023
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
阿部 泰隆 神戸大学, 法学研究科, 教授 (80030617)
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Keywords | 法と経済 / 行政訴訟の改正 / 内部告発 / 政策法学 / 法令コンプライアンス / 震災対策 / 民事法との関係における行政法の役割 |
Research Abstract |
本研究は、複雑な上、必ずしも一貫した合理的な視点から作られてはいない法制度を、1 法治行政の原理の浸透、特に、行政裁量権の可及的な制限。2 公共性の吟味、特に、給付行政の公共性とその配分の公平性。3 費用対効果の分析。4 明確性の要請。5 執行可能性の高い法制度の創造といった視点から、評価し、さらに、いくつかの立法提案を行うことを目的とするものである。この視点から現行法、特に行政法規を中心に、点検作業を行った。 行政訴訟制度を権利救済の実効性、救済ルールの明確性、両当事者の対等性という視点から改正させるべく、理論的に研究して、行政訴訟検討会に種々の方法で随時働きかけ、ある程度実現させた(阿部泰隆が参加したジュリスト1263号の「鼎談」、判夕判夕1147号参照)。さらに、広く公共性を担う行政法の特殊性から、公益訴訟勝訴褒賞金、判決の対世効などの提案をしている。 大学教員等任期制法は、大学の活性化をもたらすのではなく、逆に大学内の多数派支配をもたらすもので、学問の自由を危機に陥れるものであるとの認識から、同法の法解釈論的、法政策論的な検討を行い、大学の活性化のためには、大学教員スカウト法を制定すべきであると提言した(『京都大学井上教授事件』信山社、2004年)。 順法精神に富んだ自治体を創るため、法令コンプライアンス・システムの構築を提唱した。内部告発者保護制度と、褒賞金制度を提唱し、公益通報者保護法を批判した。 法制度の設計にあたり留意すべき点を分析検討した。「政策法学講座」、「行政訴訟要件論」「内部告発制度の法的設計」を出版した。 震災対策の不備を法的な視点から指摘して、その改善策を提言した。 民事法との関係における行政法の守備範囲、役割を解明した。
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Research Products
(7 results)