2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際組織のアカウンタビリティー確保のための国際法上の枠組の実証的研究と理論構築
Project/Area Number |
14520034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植木 俊哉 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00160151)
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Keywords | 国際組織 / アカウンタビリティー / 国際法 / 国際法協会(ILA) / 国連(国際連合) / 紛争解決 / 国際刑事裁判所(ICC) / 勧告的規則・慣行草案 |
Research Abstract |
本年度は、4年間にわたる本研究計画の最終年度にあたるため、これまでの3年間にわたる研究成果の理論的総括を中心に研究を進めた。具体的には、研究代表者が国際委員会の委員としてその起草作業にも携わってきた「国際組織のアカウンタビリティー」に関する「勧告的規則・慣行草案」(RRPs)が、2004年8月にドイツのベルリンで開催された国際法協会(ILA)の第71回総会において採択されたことを踏まえ、その国際法理論上の位置づけを検討すると同時に、このルールの各国際組織における実際の適用可能性についての分析を行った。具体的には、2005年12月にニューヨークの国連本部事務局を訪れ、国連人道問題調整部(OCHA)人間の安全保障ユニットの部長等と面談し、国連実務の中での諸活動のアカウンタビリティー確保のあり方に関して実地調査及び意見交換等を行った。またその際に、国連事務局に勤務する日本人職員等をそのメンバーとする「国連フォーラム」研究会において、「人間の安全保障と国連改革:国際組織のアカウンタビリティーの観点から」と題する報告を行い、国際組織のアカウンタビリティーをめぐる諸問題について国連の実務に従事している専門家と質疑応答を行う機会に恵まれたことは、研究代表者にとって学問的に非常に重要な示唆を得る貴重な機会となった。これら一連の研究成果については、論文「国際組織のアカウンタビリティーと国際法」として取りまとめ、公表する予定である。この4年間にわたる本研究計画の中で得られた研究の成果と知見をさらに発展させて、関連する国際法上の諸課題の探究につなげていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Book] 国際法2006
Author(s)
中谷和弘, 植木俊哉, 河野真理子, 森田章夫, 山本良
Total Pages
372
Publisher
有斐閣