2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520065
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上村 達男 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (80112556)
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Keywords | 金融サービス法 / 証券取引法 / 投資サービス法 / 金融法 / 銀行法 / 保険業法 / 信託業法 |
Research Abstract |
平成11年度からの三年間受給した科研費で日本の横断的包括的資本市場法制のあり方について研究を行ったが、その際は英国の1986年金融サービス法および2000年金融サービス市場法をモデルとし、さらに私見である証券取引法市場法理論によってそれらを再構成しようとするものであった。今回の三年間の研究はこれを受けて、より具体的な立法提言を行おうとするものである。その成果は下記の論文等において明らかにしたが、現実に日本の資本市場法制は、不良債権問題や金融機関の破綻処理問題への対応に追われ、当初の理想であった日本版金融サービス法構想は後退し、現在では銀行・保険等の縦割りを温存する過渡期の対策である投資サービス法構想に止まっている。 こうした状況にあって、私が拠点リーダーを務める21世紀COEが設立した「企業法制と法創造総合研究所」と総合研究開発機構(NIRA)との間で、「法と市場と市民社会のあり方に関する研究会」(上村が座長)を構成し、同じく各大学でCOEをリードされている神田秀樹東大教授、根岸哲神戸大学教授、吉野直行慶應大学教授他の有力研究者とともに、個別問題として横断的包括的資本市場法制のあり方に関する研究活動を行ってきた。そしてその成果は、NIRAマーケット・ガバナンス報告書-包括的・横断的市場法制のグランドデザイン-全三冊としてまとめられ、記者会見を経て出版の運びとなった。この報告書は関係方面の広い関心を呼び、こうした法制の確立へ向けた具体化のために多大な貢献をすることが約束されている。 本研究は最終的にこうした具体的な成果に理想的な形で結びついていることを特に強調しておきたい。
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Research Products
(2 results)