2002 Fiscal Year Annual Research Report
日・豪・米のコンプライアンスを軸とした消費者法システムについての比較法政策的研究
Project/Area Number |
14520068
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
TAN M・G 帝塚山大学, 法政策学部, 助教授 (60299146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恒雄 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20127715)
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Keywords | コンプライアンス / コンプライアンス経営 / 自主規制 / 自主行動基準 / ADR / 消費者保護 / ISO規格 / ソフトロー |
Research Abstract |
本研究は、日本・オーストラリア・アメリカを対象に、コンプライアンス及びコンプライアンス経営(法令遵守及び法の政策目標を実現するための企業の社内体制)の理論を明らかにした上で、行政規制および民事ルールと自主規制の関係、自主行動基準(code of conduct)・規格(standard)・憲章(charter)の特徴と現状、オーストラリアのコンプライアンス規格の運用状況、企業内のコンプライアンス・システムの現状と私法との関係、コンプライアンスを軸とした消費者法システムにおける行政・企業・消費者の役割を調査した上、コンプライアンスを軸とした消費者法システムのモデルを提示し、21世紀における消費者重視時代に相応しい日本型システムを提案することを図るものである。 平成14年度において、オーストラリアとアメリカのコンプライアンス理論構成、コンプライアンス経営の現状、自主規制としての自主行動基準・規格・憲章を全体的に把握するための資料収集を行った。具体的には、まずは論文等の資料やインターネット上の情報を収集・分析をした。 海外調査では、オーストラリアを中心に消費者行政機関、事業者団体、学識者、コンプライアンス・オフィサーに対して、第一回目のヒヤリングを行い、コンプライアンス・メカニズムとしての自主行動基準及び規格の現状にりいて調査・分析をした。その結果、オーストラリアの場合は、ADRスキームがコンプライアンス・メカニズムとして、大きな役割を果たしていることが究明できたが、今後消費者政策におけるADRの役割あるいはADRと法ないし他の自主行動基準(例:code of conduct)との連携を理論及び実務から、さらに研究する必要がある。 本研究の代表であるタンは、業界団体が運用するADRスキームについての論文を発表した。また、この論文を参考にし、オーストラリアのADRスキーム及びオーストラリアの規格の運用状況について、日本規格協会主催の委員会で報告をした。 本研究の分担者である松本も、ここまでの研究実績を基にコンプライアンス経営についての論文を発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] タン・ミッシェル: "オーストラリアの消費者保護制度における民間型ADR機関の役割・上"帝塚山法学. 7号. 53-89 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "自主行動基準作成の推進とコンプライアンス経営"国民生活. 32巻5号. 6-9 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "『企業の社会的責任』の国際規格化"国民生活. 32巻11号. 28-31 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "消費者保護行政の新たな展開"公正取引. 626号. 2-8 (2002)
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[Publications] 松本恒雄: "<消費生活と法>を考える"西谷敏・笹倉秀夫編『新現代法学入門』(法律文化社). 19-39 (2002)
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[Publications] 松本恒雄, 辻義信, 長見萬里野: "ISO/COPOLCO第24回総会を終えて"日立お客様相談部センター・レポート. 117号. 1-19 (2002)