2004 Fiscal Year Annual Research Report
日・豪・米のコンプライアンスを軸とした消費者法システムについての比較法政策的研究
Project/Area Number |
14520068
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
TAN M.G. 帝塚山大学, 法政策学部, 助教授 (60299146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恒雄 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20127715)
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Keywords | コンプライアンス経営 / コンプライアンス / 自主行動基準 / 行動規範 / ADR / 消費者法システム / 共同規制 / 消費者法 |
Research Abstract |
本研究の3年目に入った平成16年年度に、これまでの研究成果を参考にして、内外のシンポなどでコンプライアンスと自主規制のあり方について提案をした。 (研究報告) (1)10月に豪州でSOCAP(Society of Consumer Affairs Professionals)主催の国際会議で、日本で行った企業へのヒヤリングを参考にして、企業内の苦情対応システムとコンプライアンスについての研究成果を報告した。 (2)また、12月に国民生活センター主催の消費者フォーラムで、これまでの研究業績を参考にして、オーストラリアの民間型ADR機関とコンプライアンスについて発表をした。 (論文)以下の通りである。 (その他)ISO規格の国内対応を検討する委員会で、消費者重視の経営と消費者向けのADRのあり方について、提案を行った。また、消費者団体主催の研究会で規格のコンプライアンス機能と消費者団体の役割について、意見を述べた。 最近、日本では企業の社会的責任(CSR)とコンプライアンス経営についての議論は盛んになっている。本年度中に、ISOでのCSR規格作りが決定され、その作業の進行に注視した。また、本年度中に消費者保本法が公布・施行され、改正法は事業者や事業者団体の自主ルールへの取組を促進する。一方、公益通報者保護法が制定され、新しい法律の自主ルール(社内のホットラインなど)への影響を注視した。 そこで、企業の自主ルールへの関心が高まっていることと、企業の様々なステークホルダー(消費者、株主、行政など)から自主的ルールの重要性が徐々に認められつつあることが判明できた。ただし、自主ルールはその文字通り、自主的なものである。自主ルールを法律と直接にリンクすること、あるいは法律を担保に自主ルールの策定を促進することで、コンプライアンス経営がなお期待できると、本研究の対象国である豪州の調査研究で確認できた。 今後、この3年間の研究業績を参考にして、執筆予定の論文において、コンプライアンスを軸とした消費者法システムについて具体的なモデルを提示する予定である。
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Research Products
(1 results)