2002 Fiscal Year Annual Research Report
家庭内暴力の実態と対策に関する研究-殺人・傷害致死事例の分析から
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14520080
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
岩井 宜子 専修大学, 法学部, 教授 (00151704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 良枝 帝京大学, 文学部, 教授 (60338663)
長谷川 真理子 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00164830)
安部 哲夫 独協大学, 法学部, 教授 (70149152)
宮園 久栄 東洋学園大学, 人文学部, 講師 (40348446)
後藤 弘子 東京富士大学, 経営学部, 助教授 (70234995)
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Keywords | 家庭内暴力 / 女性による殺人 / 死刑・無期懲役の分水嶺 / 死刑の適用基準 |
Research Abstract |
本年度においては、名古屋地裁と東京地裁八王子支部に行き、平成年間の殺人・傷害致死事例の判決謄本のコピーを収集した。既に専修大学共同研究助成費を得て収集した東京・横浜・千葉・さいたま・前橋・宇都宮・新潟・静岡・長野・甲府・大阪・神戸・京都・金沢・福岡・札幌・青森・広島の各地裁における殺人の判決例も合わせ、その中から、女性によるものをまず抽出し、調査票に犯行の内容、犯行にいたる経過、加害者・被害者関係、量刑理由などの項目を記載する作業を行った。エクセルに入力し、女性による殺人の特徴、背景事情について分析を行う作業を行っている途中である。さらに、分析を進め、昭和50年代に女性犯罪研究会が行った「女性による殺人事例の研究」において示された昭和50年代の特性・量刑との比較を行う予定である。男性による殺人事例についても、調査票への記入の作業を行っており、さらにエクセルに入力し、女性との比較を来年度において行う準備をしている。また、家庭内の殺人・傷害致死事例の分析によって、その起こる背景・要因を分析し、どのような介入がその防止のために必要なのかの対策を考察する予定である。 重大な殺人・強盗殺人事例の中から、死刑・無期懲役の判決が確定したものを抽出し、判例時報や井上薫編著「裁判資料・死刑の理由」に載せられた判決例とともに、死刑と無期懲役の分水嶺を多変量解析の手法を用いて、数量化基準を見出す分析を岩井宜子と渡邊一弘(専修大学法学研究科博士課程)の2人で行い、専修大学法学研究所紀要「刑事法の諸問題VI」に論文を発表した。90%の的中率をもつ識別表を作成しえ、殺害被害者の数が最も大きな死刑と無期懲役を分ける要因であり、次第に、死刑を適用する基準も厳しくなっていることが示された。
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Research Products
(1 results)