2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520081
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山田 道郎 明治大学, 法学部, 教授 (20130841)
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Keywords | 刑事裁判 / 傍聴 / 裁判官 / 検察官 / 弁護人 / 旧刑事訴訟法 / 刑事訴訟法制定過程 |
Research Abstract |
平成15年度は、研究実施計画にもとついて研究をおこなった。まず、全国の地方裁判所を中心にした刑事裁判の傍聴である。今年度は、四国、北陸、山陰および近畿の各地方において実施した。昨年の検討事項との比較では、まず、当日の開廷予定の掲示については、玄関にまとめて見やすく掲示してある裁判所はほとんど見受けられなかった。つぎに、裁判官の担当事件数については、地裁の単独では、一開廷日について5ないし6件が平均であった。但し、近畿のある裁判所では、10.5件と異常に多かった。また、近畿の2つの裁判所では、12件も担当している裁判官がいた。いずれも40歳代位の若い裁判官であった。また、裁判官の審理の仕方についても、個々の裁判官によって差があるが、今回の傍聴では、比較的丁寧な訴訟指揮が目立った。他方で、判決の言渡しが非常に早口でよく聞き取れない裁判官も複数見られた。これは、必ずしも担当事件数と関係がないことは、前記の12件担当の裁判官が非常に丁寧な訴訟指揮をおこなっていたことからわかる。裁判官個人の問題かと思われる。今回も当事者の熱意は概して低かった。検察官の起訴状朗読・冒頭陳述・要旨告知など早口で聞き取れないものもあったが、四国地方では、比較的聞きやすく丁寧であった。弁護人については、昨年同様、情状中心の不活発な弁論が目立った。裁判所の中には、私選・国選の別を掲載するところもあったが、それによると国選がほとんどであった。中には、検察官の尋問の仕方に異議を申し立てる弁護人もいたが、これらはまれな例である。次年度も、残された裁判所の傍聴を継続する予定である。 つぎに、文献の検討については、現行刑事訴訟法制定当時の雑誌文献を中心に、旧刑訴から現行刑訴への移行当時の実務上の問題点を調査した。今後も、この作業は継続する予定である。以上
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