2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520089
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩川 伸明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70126077)
|
Keywords | ソ連解体 / 連邦制 / 民族問題 / ロシア / 中央アジア / コーカサス / 社会主義 / 体制転換 |
Research Abstract |
科研費の国内旅費を使って夏休みに札幌を訪問し、北海道大学において資料収集および研究交流を行なった。特に、同大学図書館に豊富に所蔵されているコーカサスおよび中央アジア地域関係の資料を系統的に読み、ソ連時代最末期のコーカサスおよび中央アジアの動向を詳しく追うことができた。ソ連邦解体過程を、ソ連全体として分析するだけでなく各地域ごとの各論を踏まえつつ総合的に解明するという本研究にとって、この経験はきわめて重要な意味をもった。 これ以外にも、前年度に引き続き、資料の収集およびそこから得られる各種データの分析を進めた。各地域ごとの動向の各論的分析をこれまでも重視してきたが、今年度はその作業を継続すると同時に、連邦体制全体についても検討を進め、特に長期的な歴史的視座および比較史的な観点からのソ連史の位置づけの再検討を行なった。 こうした歴史的研究と並んで、ソ連解体という大事件の歴史的意義を確定するための理論的検討も進め、それを20世紀の世界史全体の検討という大きな枠組みの中におくことを試みた。その一つの産物が、近刊の単著『20世紀史を考える』(勁草書房、2004年4月刊行予定)である。また、比較経済体制学会2003年度全国大会(6月6-7日、東京大学)で、共通論題「歴史的視野からみた現代移行経済」のディスカッサントをつとめた.
|
Research Products
(1 results)