2002 Fiscal Year Annual Research Report
旧ユーゴスラヴィアにおける平和構築・民主化の比較的研究
Project/Area Number |
14520094
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
定形 衛 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20178693)
|
Keywords | 旧ユーゴスラヴィア / 民主化 / 平和構築 / 国際機関 |
Research Abstract |
本年度は10年間に及んだ旧ユーゴスラヴィアの内戦とその後の国際社会の安定かプログラムへの関与について、ボスニア、コソヴォ、の二つの地域の実態について研究した。平和構築と民主化の問題は、「ガヴァナンス」を旧ユーゴスラヴィアでいかに再建していくかの問題であり、国際機関と現地の統治形態の調和、民族、歴史、社会などの諸要因について調査した。ボスニアにおいては三つの民族間の「権力の分有」、コソヴォにおいては自治州の自治の回復、難民の帰還とセルビア人とアルバニア人の共存のプロセスが国際機関の一方的指導と介入によるガヴァナンス構築の困難さとその克服について研究を進めた。 研究課題に関し、本年度は国際シンポジウムで次の二つの報告を行った。(1)クロアチアのザグレブ大学の主催による「南東欧の体制移行国における安定化」シンポジウムでは「介入理論の変容と旧ユーゴスラヴィアの崩壊」の報告を行い、国際社会の旧ユーゴスラヴィア解体過程における介入の変化を「不承不承の介入」(reluctant intervention)から「予防介入」(preventive intervention)さらに「人道的介入」(humanitarian inntervention)に分類して論じた。また、(2)東京大学での「日欧の背後におけるガヴァナンス」シンポジウムではバルカン諸国の安定化とヨーロッパのガヴァナンスの関係について旧ユーゴスラヴィア紛争後を中心に取り上げて論じた。そこではコソヴォ紛争後の国際社会による「安定化協定」の実施における現地の統治形態の諸問題、社会的、歴史的要因の平和構築における重要性を扱った。
|
Research Products
(1 results)