2004 Fiscal Year Annual Research Report
旧ユーゴスラヴィアにおける平和構築・民主化の比較的研究
Project/Area Number |
14520094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
定形 衛 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20178693)
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Keywords | 旧ユーゴスラヴィア / 平和構築 / 民主化 / 国際社会 / 人道支援 / 国際機関 |
Research Abstract |
冷戦後ほぼ10年間におよんだ旧ユーゴスラヴィア紛争とそれへの国際社会の介入について紛争の諸様相と介入のあり方とその実際、さらに紛争終結後の平和構築と民主化の進捗状況とその問題点について分析をおこなってきた。つまり、(1)ユーゴスラヴィア紛争のうち、クロアチア紛争、ボスニア紛争、コソヴォ紛争について紛争の内在的要因を民族浄化にいたる体制転換期のユーゴスラヴィア政治の特徴からとらえること。(2)ユーゴスラヴィア紛争に対して国際社会(この場合は欧米諸国を中心とした大国をさす)が、この紛争をどのように認識したのか、そしてこの紛争処理の理念と方法をどのように認識したのか。(3)紛争終結後の旧ユーゴスラヴィア各地において、国際社会および国際機関は平和構築と民主化という困難な課題に対してどのように立ち向かい、その手法はいかなる現地社会の再構築、民族和解にどのような効果をあげてきたのか、あるいは困難に逢着しているのか、その平和構築の意義と問題点について見当を重ねてきた。 この間、研究代表者は上記テーマに関連してクロアチア(ザグレブ)、スロヴェニア(マリボル)、ボスニア(コニッチ)、ハンガリー(ブダペスト)、名古屋で開催された国際シンポジウムで論考を発表し、またその成果を雑誌、および図書において公表してきた。また、国際機関の平和構築・民主化担当の職員、オンブズマンから直接インタビューするなど、民主化の定着、市民社会の構築の難しさ、とりわけ西欧型、あるいは大国誘導の民主化、平和概念が現地の民衆に十分に理解され、根付いてゆく課程の問題点を認識することができたことは有益であった。
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Research Products
(6 results)