2002 Fiscal Year Annual Research Report
IS-LMモデルのミクロ的基礎と応用-ロバートソン的期間分析による-
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14530019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大山 道広 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10051517)
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Keywords | 消費 / 流動性選好 / 流動性の罠 / 日本経済 / 協力の失敗 / 乗数効果 / ケインズ・ハンセン均衡 / インフレターゲット |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの研究を行った.まず,"Effective Demand and National Income : A Microeconomics of the IS-LM Analysis"と題する論文において(以下IS-LM論文),ロバートソン流の消費ラグを伴う拡張された2期間モデルを構築し,経済主体の最適化行動からIS-LMモデルを再検討した.特に,これまでのIS-LMモデルのミクロ経済学的基礎付けの研究では需要の側面が十分に考慮されていなかった点に鑑み,有効需要の原理から消費や流動性選好といった概念を定式化することで,従来の伝統的なモデルにおけるケインズ的およびマネタリスト的特性を併せ持つと同時に,実際の経済政策の礎となりうる貨幣経済モデルとして完成させた.本論文は,International Economic Associationのリスボン大会で報告した. また,IS-LM論文のモデルを小国の開放マクロ体系に応用した"The Mundell-Fleming Model Revisited : A Microeconomics"では,マンデル・フレミングモデルのミクロ経済学的基礎付けをIS-LM論文と同様な視点で再考察し,マンデル・フレミング命題を再検討すると同時に,長期的な期待や金融資産に対する選好の変化が経常収支や為替レートに与える影響を仔細に検討した. さらに,"Cooperation Failure among Consumers and the Keynesian Equilibrium"(邦題は『消費者間の協力の失敗とケインズ均衡』・永田長生との共同執筆)と題する論文においては,IS-LM論文のモデルを基礎として,消費者間の相互依存性(消費の外部性)の視点から貯蓄のパラドックスや非自発的失業といったケインズ的概念の説明を試み,失業の最たる原因が消費者間の協力の失敗にあることを明らかにした.本論文は,欧文のものを2002年度日本経済学会秋季大会で報告し,和訳したものを三田学会雑誌にて発表した.
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Research Products
(1 results)