2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮本 謙介 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00209941)
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Keywords | 都市労働市場 / 新国際分業 / 拡大大都市圏 / 内部労働市場 / 日本的経営・生産システム / アジア経済危機 / 地域経済圏 / 国際的労働力移動 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに筆者が収集した統計データに加えて、国内の関連研究機関(アジア経済研究所、京都大学東南アジア研究センター、一橋大学経済研究所など)で収集した統計資料、さらに各国の統計局や政府関連機関が刊行している資料集を渉猟し、分析を進めた。本年度新たに入手したものは、韓国・タイ・インドネシア・香港・モンゴルの最新の統計データである。また、インドへ現地調査に出向き、日本では入手困難な統計資料を収集するとともに、ニューデリー近郊の工業地帯で実態調査も実施した。 蓄積しているマクロ・ミクロの資料分析は鋭意すすめているが、その成果の一部は本年度内に2編の論文として発表した。(1)The Labor Market and Japanese Firms in the Metropolitan Area of Indonesia, Discussion Paper Series A : No.2003-115, Graduate School of Economics and Business Administration, Hokkaido University, September 25, 2003.(2)「インドネシア都市経済史覚書一都市労働者の形成史を中心に-」『経済学研究』(北海道大学)第53巻第3号、2003年12月、である。(1)は、以前に実態調査したインドネシアのジャカルタ首都圏の労働市場に関して、新たに統計データを付け加えて分析したものである。東南アジアのメガ都市労働市場の一事例として、マクロ分析による1990年代の首都圏労働市場の変動を踏まえ、ミクロ分析では首都圏工業地帯における外資系=日系企業を対象とし、労働市場の需要サイドからは内部労働市場の編成と職位構成・学歴階層性・性別分業・賃金体系などの相関を、供給サイドからは労働者の出身階層や求職行動の社会慣行などについて分析した。(2)はインドネシアにおける労働者の形成史を長期的な視点から捉えるとともに、現代の労働市場に参入する多様な労働力群を分析しており、アジアにおける労働市場の現代的特質を解明する基礎作業となるものである。 次年度以降は、すでに実施した実態調査に基づく事例分析、また各国マクロデータの更なる収集とその分析によって、アジア労働市場の全体像を解明すべく、本課題の年度計画に沿って研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kensuke Miyamoto: "The Labor Market and Japanese Firms in the Metropolitan Area of Indonesia"Discussion Paper Series A, Graduate School of Economics and Business Administration, Hokkaido University. No.2003-115. 1-28 (2003)
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[Publications] 宮本 謙介: "インドネシア都市経済史覚書-都市労働者の形成史を中心に-"経済学研究(北海道大学). 53-3. 165-182 (2003)