2002 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア熱帯雨林におけるコミュニティーと持続的開発
Project/Area Number |
14530043
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高崎 善人 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (00334029)
|
Keywords | 国際研究者交流 / フィジー / 開発経済学 / 資源経済学 / ミクロ経済学 / コミュニティー / 持続的開発 / 家計調査 |
Research Abstract |
研究代表者は、環境と開発のミクロ経済学という新しくかつ社会的ニーズの高い学問領域を発展させるべく、既存研究が不足している熱帯雨林地域において、コミュニティーと持続的開発に関する理論・実証研究を長期間にわたり実施、計画している。本基盤研究はその第一段階にあたり、1)文献調査をもとに農民・コミュニティー・環境の動的理論の基礎を構築すること、2)本格的家計調査のための予備調査(調査地の選定調査体制の整備、調査手法の検討等)を進めることが目的である。平成14年度には、1)の理論研究において、リスク対応(coping strategy)としての環境利用の理論モデルを構築し、農民が環境に依存する誘因を分析した。成果は、海外学術雑誌に投稿予定である。2)の実証研究では、東南アジアだけでなく、太平洋島嶼国を含めて調査候補地を検討した結果、フィジーの複数の農漁村を調査地として選定した。コミュニティーの要素が東南アジアのケースよりも強いこと、東南アジアに較べて既存の実証研究が大幅に遅れていること、2003年1月に発生したサイクロンに対する住民の対応を検証できる貴重なケースであること等の理由から、本研究のテーマに非常に合致した調査地であると言える。南太平洋大学(University of the South Paciffic)の研究者との協力の下、現地調査体制(現地研究補助員の手当て、村民の協力要請、ロジスティックス等)を整備した。上記サイクロンの影響をタイムリーに検証することが緊急課題であり、予定していた予備調査に加えて、第一回家計調査を平成15年度に前倒しで実施する計画である。この変更に伴い、平成15年度の理論研究は、現地調査とのバランスを図ったものに限定する予定である。
|