2002 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における女性賃金水準の就業行動への影饗の分析
Project/Area Number |
14530046
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
井伊 雅子 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (50272787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00218067)
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Keywords | 女性の就業行動 / 就労行動 / 流動性制約 / トービットモデル / プロビットモデル / 標本選択による傾より |
Research Abstract |
女性の賃金水準が就業行動に与える影響は、国際的にも多くの研究が行われてきた。しかし、日本の場合は、専業主婦優遇の税制、社会保障制度、さらには企業の家族手当諸制度などのために家計全体で考えた収入曲線は、女性の労働時間に関して単純な線形関数とはならず複雑な形となる。供給行動を通常のHeckmanなどによって提案されたモデルを用いて推定しても適切な推定結果を得ることができない。この問題に対応するため、まず、賃金関数と就労関数の最尤法での同時推定により推定した。成果は、2002年12月「日本統計学会誌」に発表された。 このモデルでは、就労行動は働くか働かないかの2値選択であるが、より現実的には、労働時間を用いた就労関数の推定が望ましい。 また、最近「貸し渋り」が深刻な社会問題となっているが、家計に対する金融逼迫の影響を家計レベルにおいて流動性制約がもたらす負の厚生効果として数量化することも本研究の関心事の一つだが、理論モデルとしては、家計の異時点間の効用最大化モデルから導出される一階の必要条件である消費オイラー方程式を用いている。そして、流動性制約が制約となっているグループとなっていないグループの2値選択を内生性を考慮しつつ、二つの異なる消費オイラー方程式を推計するためにタイプ5トービットモデルを用いた推計を行っている。 上記の2点は現在進行中の研究であるが、この分野では世界的な権威であるスタンフォード大学の雨宮教授を講師に招いて、12月から1月にかけて研究会を行い、トービットモデル、プロビットモデル、duration modelに関して研究を行った。
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Research Products
(1 results)