2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 建資 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00116683)
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Keywords | 自由貿易体制 / ガット体制 / 農業政策 / イギリス経済 / 英米交渉 |
Research Abstract |
2003年7月から8月にかけてイギリスのロンドン郊外にある国立文書館(旧パブリック・レコード・オフィス、現ナショナル・アーカイブス)でイギリスの通商政策と農業政策の関連を明らかにする調査に従事し、そのために科学研究費の旅費を用いた。 調査は主に二つのテーマに関しておこなった。(1)一つは第二次大戦期の英米交渉の展開過程における通商政策と農業政策、(2)もう一つは、1930年代後半の通商政策の展開の中での農業問題、である。 (1)については、1941年ころからの英米交渉に関連する記録を網羅的に調べた。すでに平成14年度にもかなり調べていたが、それでカバーできなかった記録を見た。農水省史料はこのテーマに関しては貧弱であるので、主に商務省の資料を調べた。農水省側の記録がないのはきわめて残念であるが、商務省史料を通じて英米交渉で農業問題がどのように扱われてきたかをかなり細かくたどれるようになった。平成16年度にはこのテーマで論文を書きたいと思っている。 (2)については、商務省と自治領省の史料を調べた。1938年の英米と英加の通商交渉を中心に通商政策の展開を明らかにした。この作業の結果、上記(1)のテーマの前提として第二次大戦全に通商政策の中で農業問題がどのように扱われていたかがかなり明確になった。(2)については、佐々木雄太編『世界大戦の時代とイギリス帝国』(ミネルヴァ書房、2004年刊行予定)所収の論文『イギリス帝国の農業問題」としてすでに書いていたものを大幅に改訂した。 今後は、第二次大戦直後のガット体制成立期に重点を移して、自由貿易体制の中で農業がどのようにして特別扱いされることになったのかを解明する作業を続けていきたい。
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Research Products
(1 results)