2003 Fiscal Year Annual Research Report
情報化による製品開発のスピードアップのメカニズムの解明
Project/Area Number |
14530143
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 達彦 早稲田大学, 商学部, 助教授 (40296281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 明弘 関西国際大学, 経営学部, 専任講師 (90330505)
小橋 麗香 大阪国際大学, 経営情報学部, 助教授 (90288978)
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Keywords | 製品開発 / スピード / 事業システム / 内外製問題 |
Research Abstract |
平成15年度は、企業の競争優位を左右するような製品開発システムに紋って調査研究が行われた。短期的かつ単発的なスピードアップの側面だけではなく、長期的かつ継統的に製品やサービスを迅速に開発できる仕組みに注目したわけである。 現在、研究分担者がそれぞれの担当業種について聞き取り調査をした段階であり、それぞれの発見事実は多岐にわたる。それゆえ、業界の違いを超えた研究実績の概要を要約することは困難である。しかし、少なくとも今後、製品開発のスピードと競争優位について調査研究を進める上で注目すべき論点を明らかにすることができた。それは、自社の担当範囲と他社との関係性、いわゆる内外製問題である。 外部から技術を調達することによって時間を買うことができる。しかし、その一方で過度の外部化は、競争優位の基盤を浸食させることもある。 たとえば、アパレルにおいては常に先端のデザインを開発システムにインプットするために、社外デザイナーを起用している。旬のデザインを描けるデザイナーが初期企画を行い、その企画を市場に提案して試行錯誤的にヒット商品に結びつけるという仕組みである。アパレルでは、効率的かつスピーディに製品を開発するために、素材の調達・生産・販売についても外部資源を利用しているが、それによってノウハウのスピルオーバーが生じ、競争優位が持統し難くなっている。 著書で紹介しているように、どこまでを自社で担当して、どこまでを他社に任せるのかという問題は、「短期的なスピードアップ」と「長期的な競争優位の維持」のジレンマをいかに解消するかの鍵となる。これは、医薬、航空機エンジンの加工、ゲームソフト等さまざまな業界に共通する問題であり、今後この点を探求すべきことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)