2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国の家電・パソコン・自動車産業におけるトップ企業の成長戦略に関する研究
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14530164
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
陳 晋 沖縄大学, 人文学部, 教授 (20341670)
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Keywords | 製造業 / 中国の自動車産業 / 経営戦略論 / 企業の戦略構築 / 競争力蓄積 / 政府の競争排除政策 / 「大ロット」の建設方針 / アーキテクチャの視点 |
Research Abstract |
本年度の研究は中国のWTO加盟と市場の本格解放にともない、最も衝撃にさらされる製造業分野といわれる中国の自動車産業を取り上げ、経営戦略論の枠組を適用しつつ、この産業に参入して大量生産の確立を目指す上位企業の戦略構築や競争力蓄積の成果と問題を検討した。あわせて、当該産業の最近のダイナミックな変化、およびこれからのグローバル化を踏まえた企業行動の行方を分析した。 中国の自動車産業は1950年代に形成され、すでに半世紀の発展を経たにもかかわらず、政府による産業政策の厚い保護を受けたまま、未だに「幼稚産業」といわれるように小さくて弱い。こうした現実にかんがみ、本研究の問題関心は、中国の自動車企業の競争能力はいかに蓄積されてきたのか、またはこなかったのか、それはこれからの中国自動車産業の成長とグローバル化過程にどのような影響を与えるか、といった点である。 本研究の結論は次のとおりである。まず中国の自動車産業における競争力の蓄積は、政府の競争排除政策、とくに需要がトラックから乗用車へ移行しはじめた自動車産業成長期(80年代半ばから90年代前期まで)にとられた中央政府の厳しい参入制限と競争排除政策によって強く制約された。また90年代後半までの「五カ年計画」という政府投資の枠組みや「大ロット」の建設方針は、一汽と東風の成長を大いに遅れさせた。さらに自動車のアーキテクチャの視点から見れば、中国のメーカーは乗用車などのインテグラル型製品に対しまだ弱い。ただし、乗用車の分野と違って、小型トラック、軽自動車、農用車、オートバイなどやモジュラー寄りの製品分野では、中国企業は競争力を高めている。
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Research Products
(2 results)