2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国の家電・パソコン・自動車産業におけるトップ企業の成長戦略に関する研究
Project/Area Number |
14530164
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
陳 晋 沖縄大学, 人文学部, 教授 (20341670)
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Keywords | 中国自動車市場 / 中国家電市場 / 企業成功要因 / 販売ネットワーク / 技術レベル |
Research Abstract |
日本企業の中国進出成功事例に関して研究してきた。本研究は、中国市場に進出し、且つ成功している日本のエアコンメーカーと乗用車メーカーを取り上げ、これら日本企業の中国市場での戦略策定と戦略実行を観察し、経営戦略論の観点からその成功要因を究明した。ダイキンとホンダが本格的に中国に進出したタイミングは先行組の日米欧メーカーより遅れていたが、WTO加盟に備えて市場再開放、洗練された商品のニーズが拡大する黎明期に当たった。両社が中国で成功した重要な要因のひとつは、先行組の外資系やローカルメーカーが持っていないオンリー・ワンの先端技術にある。また、両社は経営ノウハウを生かして、現地の市場調査や販売システムの構築に力を入れていたことも大きい。さらに、両社が共に中国市場で自社の技術や販売の優位性を活用しながら、新しい製品セグメントを開拓し、世界市場に向かって事業を拡大していることも注目すべきところである。 また、中国家電メーカーの競争力について研究してきた。本研究は中国のWTO加盟と市場の本格開放にともない、急速に輸出が拡大し、海外現地生産も展開している中国の家電メーカーを取り上げ、企業戦略論の枠組を適用しつつ、中国家電メーカーの競争力蓄積問題を検討した。中国の家電メーカーに対する政府によるコントロールは70年代末から80年代半ばまで一時強化されたが、80年代の後半になると、家電製品の生産が売り手市場から買い手市場へ転換したため、ほぼ不可能になった。その中、80年代に後発の家電メーカーは、厳しい国内市場競争でしのぎを削ってたたかい、現場の生産管理能力、市場の販売・サービス能力や製品の開発能力を高めて、着々に伸びて強くなっていた。市場経済の波を乗って急速に拡大し、先発の政府「指定メーカー」と入れ替わって頭角を現し、業界の上位に上ってきて、さらに、多国籍企業と連携しながら、国際市場の競争にも加わっていた。 さらに、2004-05年二年間の中国の自動車市場や自動車産業の技術面の変化について研究してきた。05年に中国国内自動車の総生産台数は570.7万台、04年より12.6%増加し、世界三位のドイツの575.8万台に迫っている。車種別に見れば、中国の自動車市場はいままでの商用車と乗用車の同時増加から乗用車の単独増加に転換した。成長している乗用車市場をめぐり外資系メーカーと中国系メーカー各社は積極的な新規投資や新車投入を展開していった。ただし、自動車などの業界における受託調査の専門業者J.D.Power社の05年度調査によれば、中国系ブランド乗用車の性能や品質は外資系に比べて依然として格差が大きい。
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Research Products
(5 results)