2003 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルスタンダードに対応するトライアングル体制のあり方に関する研究
Project/Area Number |
14530175
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加古 宜士 早稲田大学, 商学部, 教授 (50094967)
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Keywords | グローバル・スタンダード / トライアングル体制 / 国際会計基準審議会 / 国際会計基準 / 国際財務報告基準 / 分配可能利益 / 実態開示 / 国際統合 |
Research Abstract |
本研究では、第1に、前世紀末から今世紀初頭にいたる特に顕著な会計上の変化として、企業活動のグローバル化、資金調達活動のボーダレス化に促されて、会計情報の国際比較可能性に対する要請が一段と強まってきている点を、歴史的に明らかにした。 第2に、わが国の伝統的な企業会計は、会計上の諸規範が、商法、税法、証券取引法の3つの法令に組み込まれたトライアングル体制と呼ばれるスキームの中で実践されてきたことを、法律制度的に明らかにした。このため、実態開示を重視する国際的要請に適時・的確に対応しきれないという限界があることを指摘した。 第3に、この限界を克服するため、わが国においては、1997年に連結会計基準を改定し、個別財務諸表よりも連結財務諸表を主たる財務諸表とする制度を、証券取引法上、実現した。これを契機に、商法・税法の定めのない連結財務諸表において、分配可能利益計算を超えて、企業実態を明らかにするための会計処理および表示の基準が積極的に開発されることとなった過程を明らかにした。 第4に、いま、わが国の企業会計制度は、(1)費用収益アプローチを前提とする分配可能利益重視の会計から、(2)資産負債アプローチを前提とする企業実態開示重視の会計へとシフトしようとしているという状況にあることを明らかにした。 第5に、この際、分配可能利益計算のための会計ルールと実態開示のための会計ルールとは、代替関係にあるべきなのか、または相互に補完関係にあるものとして位置づけるべきなのかが、国際的になお論争点として残されていることを指摘した。本研究では、これを今日の会計上の最重要課題として認識しており、適切な解決に向けてさらに研究を掘り下げる必要性がある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] (財)財務会計基準機構: "会計基準の基本戦略を考えるシンポジウム-国際的統合化とわが国の対応-"季刊会計基準. 第4号. 5-33 (2003)
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[Publications] 加古宜士(座長): "公益法人会計基準検討会報告書"総務省・公益法人会計基準検討会. 1-42 (2003)
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[Publications] 加古宜士: "財務会計情報の拡大とその量的・質的分析"商学研究科紀要(早稲田大学大学院). 第56号. 1-8 (2003)
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[Publications] 加古宜士: "新公益法人会計基準が目指すもの"税経通信. 57巻10号. 2-3 (2002)
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[Publications] 加古宜士ほか: "中小会社の会計のあり方について"JICPAジャーナル. 14巻10号. 20-42 (2002)
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[Publications] 加古宜士: "グローバルスタンダードとトライアングル体制"企業会計. 54巻1号. 18-23 (2002)
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[Publications] 加古宜士, 大塚宗春監訳: "財務会計の理論と応用"中央経済社. 679 (2004)