2004 Fiscal Year Annual Research Report
Kac-Moody Lie環とHilbert保型形式
Project/Area Number |
14540022
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
露峰 茂明 三重大学, 教育学部, 教授 (70197763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 春隆 三重大学, 教育学部, 教授 (60234770)
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Keywords | theta series / 総戻代数体 / 二次形式 / automorphic function / Weyl群 |
Research Abstract |
群SL_2(Z)に対する,多項式付きの不定値二次形式のtheta seriesを核関数として,保型形式を積分して,Grassmann多様体上の特異点付きのautomorphic functionを得ることが知られている.R.E Borcherdsによる一連の仕事が知られている.theta級数の実部に対応する非特異対称行列をAとし,虚部に対応する正値対称行列をA_+とする.Aは整係数である.A_+はA_+A^<-1>A_+=Aを満たせばよいので,この全体A_+が,4によって決まるGrassmann多様体となる.ある条件の下のAに対し,automorphic formの特異集合がGrassmann多様体上にWeyl chamberを決め,そして,Kac-Moody Lie環のWeyl群,そのdenominator functionとautomorphic functionとの関連が導かれる. Kを総実代数体とし,O_Kをその整数環とする.本研究は上記の議論をすべてHilbert modular群SL_2(O_K)に対して行おうとしたものである.SL_2(Z)の場合と異なり,Kの類数が1以上のなるなどの困難が生じてくる.ここでは,多項式付きの,実部がK上の2次形式Aを持つtheta級数の反転公式,および変換公式を求めている.さらに,Aがanisotropicなベクトルを持つとき,theta級数を,サイズの小さい2次形式のtheta級数を用いて展開をしている.これはBorcherdsのAutomorphic forms with singularities on Grassmannsの定理5.2のあたりautomorphic formを求める鍵となるものである.これを用いてK上有理なWeyl chamberに対するautomorphic formの研究が進むと思われる.
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