2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永友 清和 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90172543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 悦朗 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00107062)
坂根 由昌 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00089872)
川中 宣明 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10028219)
大山 陽介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10221839)
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 共形場理論 / 共形ブロック / モジュラー変換 / リーマン面 |
Research Abstract |
頂点作用素代数の表現論を用いてリーマン面上の共形場理論を共形ブロックの理論として定式化し,その構造を明らかにする研究を実施した.頂点作用素代数には自然にVirasoro代数の作用があり,それによりリーマン面の複素構造の変形と結びついている.この事実から共形ブロックは単にリーマン面上のベクトル束ではなく,点付きリーマン面のモジュライ空間上のベクトル束として定式化される.このベクトル束には平坦接続が定義され,いわゆる,相関関数はこの接続に関する平坦断面である.本年度の研究で共形ブロックのベクトル束が自然な仮定の下で有限階であることを明らかにした.相関関数は確定特異点型微分方程式の解として特徴付けられる.特に,射影直線上の理論に関しては,その階数を組合せ論的に計算することを可能とする因子化定理を代数幾何の手法を用いて証明した.その証明は共形ブロックの層が点付きリーマン面のモジュライ空間のDeligne-Mumfordのコンパクト化における境界まで局所自由層として拡張されることを示し,次に境界(単純2重点をもつ退化リーマン面)上の自由層としての階数を幾何学的手法を援用して求めるものである。また,種数1の場合の研究も進んでおり,共形ブロックのモジュラー不変性を介して多様な分野で現れるモジュラー不変性を統一的に理解することが可能となった.さらに種数1の場合の研究においてはモジュラー変換におけるS変換の行列表現を用いて3点共形ブロックの層の階数を記述する Verlinde の公式の証明を視野に入れた重要な進展が現れ始めている.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Nagatomo: "Finiteness of conformal blocks over the projective line"Fields Institute Communications. (発表予定).
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[Publications] K.Nagatomo: "Finiteness of conformal blocks over Riemann surfaces"Osaka J. Math. (発表予定).
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[Publications] A.Matsumura: "A gas-solid free boundary problem for compressible viscous gas"SIAM Journal on Mathematical Analysis. (発表予定).
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[Publications] Y.Ohyama: "Isomonodromy deformations and twistor theory"Contemp. Math. 309. 185-193 (2002)
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[Publications] Y.Ohyama: "Classical solutions of Schlesinger equations and twistor theory"CRM Proceedings and Lecture Notes. 31. 61-68 (2002)