2003 Fiscal Year Annual Research Report
半整数ウェイトの保型形式のニューフォーム理論の構築とそのフーリエ係数の符号の研究
Project/Area Number |
14540027
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
上田 勝 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80193811)
|
Keywords | 保型形式 / 半整数ウェイト / ニューフォーム / ツイスティング作用素 |
Research Abstract |
半整数ウェイトの場合のニューフォームの理論を構築という研究目的達成のため,今年度は,昨年度得られた偶数conductorを持つ指標に関するTwisting作用素のトレース恒等式を用いて,レベルが2のべきの場合のニューフォームの理論を構築することに成功した. このためには,トレース恒等式のほかに昨年度から継続して研究してきた,有限環上の線型群の表現とフーリエ係数の非零性との関連性が必要となった.この方面の研究の進展により,平成15年12月ごろに必要とされる結果が得られた.具体的には,オールドフォームという,カスプ形式の空間から取り除かれるべき部分を完全に記述することが出来るようになった.こうして平成16年1月にレベル2べきの場合のニューフォームの理論が得られた.現在,これらの一連の結果(「有限環上の表現と非零性」と「レベル2べきの場合のニューフォーム」)については論文を作成し投稿中である. ウェイトが1/2,3/2等の半整数になる半整数ウェイトの保型形式では,2がいわゆる"bad prime"となって,さまざまな困難を引き起こす.したがって,今年度の結果,すなわちレベルが2のべきの場合のニューフォーム理論の成立は,すべてのレベルでニューフォーム理論を構築するという最終的な目標への大きな一歩となった. 来年度は,この結果を一般レベルに拡張し研究を完成させるのが目標となる.そのためにまず,表現と非零性との関連についての結果を2べきに限らない全ての偶数レベルに対して拡張していく.そして非零性が示されたものから順にニューフォームの理論を確立していく予定である.
|
Research Products
(1 results)