2002 Fiscal Year Annual Research Report
代数系のグレブナー基底とホモロジー・ホモトピーの研究
Project/Area Number |
14540046
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 ゆう治 東邦大学, 理学部, 教授 (70035343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 由美子 東邦大学, 医学部, 助教授 (70185065)
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Keywords | 有限表示代数 / 書換えシステム / グレブナ基底 / モノイド / ホモロジー有限性 / ホモトピー加群 / 組紐群 |
Research Abstract |
有限表示代数系(特に、モノイドと結合的代数)を、主として、書換えシステム(Grobner基底)の手法で研究した。完備書換えシステムを持つための条件、および、そのホモロジー、ホモトピーとの関係を調べた。 モノイドが完備書換えシステムをもてば、ホモロジー有限性FP_3およびホモトピー有限性FDTが成立することは、Squierによって示されている。第1論文では、モノイドの有限表示から定義される関係加群、ホモトピー加群を調べ、それらが大きな完全図式のなかに位置づけられることを示した。そのことにより、上記の有限性が互いに関係し合う仕組みを明らかにした。論文では、モノイド代数を扱ったが、Grobner基底の理論を用いて、一般の結合的代数に展開できると考えられ、その研究は進行中である。 代数系の部分系がいつ有限表示または完備有限表示をもつか、またその逆に、いつ代数系が(完備)有限表示系に埋入できるかという問題を研究した。第2論文では、有限表示もつ系の部分系が有限表示を持つための必要条件を与え、その自然な例として、組紐逆モノイドを調べた。そこには組紐群が有限指標を持って含まれ、そのことから、自然にモノイドの有限表示が求められる。組紐群は完備有限表示を持つことが知られているので、組紐逆モノイドも完備有限表示を持つかが今後の問題となる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Kobayashi, F.Otto: "Some exact sequences for the homotopy (bi)-module of a monoid"International J. Algebra Computation. 12. 247-284 (2002)
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[Publications] I.Inata, Y.Kobayashi: "Monoids with subgroups of finite index and the Braid inverse monoid"Scientiae Mathematicae Japonicae. 57. 3-9 (2003)
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[Publications] 小林 ゆう治(編集): "第数系のアルゴリズムと計算論"京都大学数理解析研究所. 157 (2002)