2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540047
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
対馬 龍司 明治大学, 理工学部, 助教授 (20118764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 幸男 明治大学, 理工学部, 助教授 (00308066)
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
稲富 彬 明治大学, 理工学部, 教授 (20061872)
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Keywords | ジーゲル保型形式 / ヤコビ形式 / 代数幾何学 / リーマン・ロッホの公式 / 佐武コンパクト化 |
Research Abstract |
以前の研究において、次数2の正則ヤコビ形式の空間の次元を計算した。今回の研究においては次数2の歪正則ヤコビ形式の空間の次元を計算した。正則および歪正則の指数1のヤコビ形式の空間と、重さ半整数のジーゲル保型形式の空間の、フーリエ係数の条件で定義されるプラス空間と呼ばれる部分空間との同型が知られている(伊吹山知義、林田秀一)。これも以前の研究であるが、次数2かつ重さ半整数のジーゲル保型形式の空間の次元を計算した。これによって重さ半整数のジーゲル保型形式の加群としての構造が明らかになった(伊吹山知義)。先に述べた同型によってプラス空間の次元は分かったことになるので、その次元の分だけプラス空間の元を見つければプラス空間は決定される。この方法により、電子計算機を使ってプラス空間の構造が決定された(林田秀一)。 ヤコビ形式とは、ジーゲル上半平面と複素ベクトル空間との直積空間上の正則または歪正則関数であって、ジーゲル上半平面の変数に関しては保型形式のように振る舞い、複素ベクトル空間の変数に関してはテータ関数のように振る舞うもののことである。指数mのヤコビ形式は、複素ベクトル空間の変数に関して次数2mのテータ関数のように振る舞うので、次数2mテータ関数の基底である次数2mのテータ級数の一次結合で表される。その係数はジーゲル上半平面上の正則または反正則関数である。この係数を並べてベクトルにすると、それはジーゲル上半平面上のある保型因子に関するベクトル値保型形式になる。従ってヤコビ形式は、ジーゲル上半平面の離散群による商空間上のある正則ベクトル束の正則切断と同一視される。この正則ベクトル束にリーマン・ロッホの公式(正則レフシェッツの固定点定理)および小平・中野の消滅定理を適用して、その正則切断の空間すなわちヤコビ形式の空間の次元を計算した。そのためにこの正則ベクトル束の構造を決定してそのチャーン類を求めた。また固定点における保型因子の値を求めるために、テータ級数の変換公式(ジーゲル)を利用した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ryuji Tsushima: "On the dimension formula for the spaces of Siegel cusp forms of half integral weight and degree two"数理解析研究所講究録. 1052. 42-57 (1998)
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[Publications] Ryuji Tsushima: "On the dimension formula for the spaces of Jacobi forms of degree two"数理解析研究所講究録. 1103. 96-110 (1999)
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[Publications] Ryuji Tsushima: "Dimension formula for the spaces of Siegel cusp forms of half integral weight and degree two"Comm. Math. Univ. St. Pauli. (受理済). (2003)