2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540047
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
対馬 龍司 明治大学, 理工学部, 助教授 (20118764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 幸男 明治大学, 理工学部, 助教授 (00308066)
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
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Keywords | ジーゲル保型形式 / ヤコビ形式 / リーマン・ロッホの公式 / 佐武コンパクト化 / 小平・中野の消滅定理 |
Research Abstract |
2次のベクトル値ヤコビ形式の空間の次元を計算することを目標として研究を行った.これを群作用付きのリーマン・ロッホの公式(正則レフシェッツ固定点公式)で計算する為の準備として,2次のジーゲル空間上のヤコビ形式に対応する,ベクトル束の構造を調べてそのチャーン類を決定した.更に,2次のジーゲル空間におけるSp(2,Z)の固定点(集合)を分類しそれらの構造を,計算すべき交点数を計算可能な形で決定した.これによって,リーマン・ロッホの公式を計算した. 固定点集合は,次元の低い有界対称領域の商空間のコンパクト化、或いはそれらの上のファイバー空間の構造を持っている.これらの有界対称領域のSp(2,Z)におけるstabilizer群を決定し,その商空間或いは商空間上のファイバー空間として固定点集合の構造を決定した.特に,これらのstabilizer群に関する基本領域の体積を求めること,これらの固定点集合とジーゲル空間を作る際にコンパクト化した,境界との交わりの構造を正確に決定すること,が必要であった. 更に,各固定点集合を固定するSp(2,Z)の元による,テータ級数の変換公式に現れるガウス和を計算することが必要であった.またある種の指数和を計算することが必要であった.これらの和を計算する為にコンピュータを活用し,最終的な結果はコンピュータ・プログラムによって表した. 今後の課題としては,リーマン・ロッホの公式を適用可能にする為に,このベクトル束の高次のコホモロジー群の消滅定理を証明する為の理論を開発することである.この為には,このベクトル束の積分可能な切断の芽の層による解消(ドルボーの定理の一般化)について深く研究することが不可欠となる.
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Research Products
(1 results)