2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14540052
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
安富 真一 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (60230231)
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Keywords | 数の近似 / マルコフスペクトラム / 同時近似問題 / ヤコーペロンアルゴリズム / 非斉次近似 |
Research Abstract |
今年度は3次の数に関する同時近似問題の探求を行った。擬ヤコービペロンアルゴリズムで周期的である数の組に関して、総実でない場合に、その近似度と擬ヤコービペロンアルゴリズムの関係の確立を目指した。すなわちもっとも良い近時を与える整数格子点が擬ヤコービペロンアルゴリズムから与えられるかどうかである。もしこのことが成立すれば、数の近似問題のマルコフスペクトラムが連分数を通して研究されるように、同時近似問題のマルコフスペクトラムも擬ヤコービペロンアルゴリズムを通して調べることが可能になると思われる。周期1の場合は今までの研究から、それが成立することが分かっている。また計算機実験から、そのことを肯定する結果を得ることができた。しかしながら証明にはいたらなかった。この問題を3次元空間のある平面とその付近に関する数の幾何の問題に還元することはできた。この方向で研究を進める予定である。また総実である場合も計算機実験を進め、興味深い現象を見出した。この解明は次年度以降の課題としたい。また、次年度以降の研究予定であった非斉次近似問題の探求も前倒しして実施した。マルコフスペクトラムを考える上で、基盤となる非斉次近アルゴリズムの探求を行った。現在一般的に使われている非斉次近アルゴリズムでは、不十分な点があるので、その改良を行った。その改良されたアルゴリズムはいくつかの良い性質を持つことが分かった。このアルゴリズムを用いてマルコフスペクトラムの探求を行っていく予定である。
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