2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14540062
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長瀬 正義 埼玉大学, 理学部, 教授 (30175509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 航也 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60312633)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
海老原 円 埼玉大学, 理学部, 講師 (80213578)
福井 敏純 埼玉大学, 理学部, 教授 (90218892)
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Keywords | カイラルアノマリー / ディラック作用素 / 断熱 / スーパートレース |
Research Abstract |
当研究代表者は主にSpin^q構造(四元数SPin構造)に付随するtwistor空間(Z,g^Z)の無限小Dirac作用素φ_<g^Z>のカイラルアノマリーの研究に取り組み、今年度は次の定理を証明した: 断熱的無限小カイラルアノマリーの本質的部分STr_<g^Z_ε>(δ_Xφ^2_<g^Z_ε>e^<-tφ^2_<g^Z_ε>>)=∫_Zstr_<g^Z_ε>(δ_Xφ^2_<g^Z_ε>e^<-tφ^2_<g^Z_ε>>(P^0,P^0))dg^Z_ε(P^0)は(ε^<1/2>,t)∈[0,ε^<1/2>_0]×(0,∞)に関してC^∞である。そしてε^<1/2>に関するTaylor展開(充分大きなm_0を任意に取って)STr_<g^Z_ε>(δ_Xφ^2_<g^Z_ε>e^<-tφ^2_<g^Z_ε>>)=Σ^^<m_0-1>__<m=0>ε^<m/2>STr(t,m/2:)+ε^<m_0/2>STr(t,m_0/2:ε^<1/2>)に着目すると,STr(t,0/2:)≡0であり,且つ,適当なμ_0=μ_0(m_0)>0,C=C(m_0)>0を取ると1【less than or equal】^∀m【less than or equal】m_0について|STr(t,m/2:【triple bond】)|【less than or equal】Ce^<-tμ_0>{t^<-(n+4)/2>+1}である。 断熱的ディラック作用φ_<g^Z_ε>やそれの与える熱核e^<-tφ^2_<g^Z_ε>>,等は発散項を持っているが,上の主張はスーパートレースであるその本質的部分は上記のように発散項を持たず,しかも時間t>0が大きい場合それが指数関数的に減少することを主張している。証明は非常に複雑で多くの紙面を要するので最終報告に譲るが,標語的に羅列すれば証明は,各点P^0∈Zへのある意味の局所化空間Z(P^0),Duhamelの原理,微分同型写像ι_ε:Z(P^0)→Z(P^0),(x,z)→(ε^<1/2>x,z)による引き戻しディラック作用素φ_<g^Z_<(ε)>>(g^Z_<(ε)>=ι^*_εg^Z_ε)の研究,等の積み種ねに依っており,本質的な道具はCheng-Li-YauやCheeger-Gromov-Taylorによるある種の不等式の一般化である。 上記の定理は(t>0が小さい場合には多分にラフな評価であって)t>0が大きい場合に焦点を当てた結果であり,前年度のt>0が小さい場合の(Getzler変換,Gilkey不変式論,等を使った)研究を合わせて最終結論に到達しつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sakamoto: "Variational problems of normal curvature tensor and cocircular scalar fields"Tohoku Math.J.. 55. 207-254 (2003)
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[Publications] T.Fukui, J.Weyman: "Cohen-Macaulay properties of Thom-Boardman strata II : the defining ideals of Si,j"Proc.London Math.Soc.. 87. 137-163 (2003)
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[Publications] 下川航也: "最近のDehn surgeryのいくつかの話題について"「結び目と多様体の幾何と台数II」報告集. 115-123 (2003)