距離空間の位相的性質と次元の研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14540066
• Research Institution: Tokyo Gakugei University
• Principal Investigator: 田中 祥雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014810)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 後藤 達生 埼玉大学, 教育学部, 教授 (10015555) ; 関沢 正躬 東京外国語大学, 教育学部, 教授 (80014835) ; 池田 義人 東京外国語大学, 教育学部, 助教授 (70014834) ; 森下 和彦 足利工業大学, 工学部, 助教授 (10254905) ; 木村 孝 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00195364)
• Keywords: 距離空間 / k-ネットワーク / 点列空間 / コンパクト空間 / 次元 / リーマン多様体 / 接球束 / 連続公理

Research Abstract

本年度の科学研究費において、シンポジューム、研究集会、セミナーなどに積極的に参加し、研究成果の発表、情報交換、研究打ち合わせなどに旅費を活用し、研究の発展、遂行に大変有意義であった。一方、最新の情報を得るため、位相関連図書などを購入した。また、情報に関連したモバイル環境の改良や、研究資料などの整理などのため(ノート)パソコンや周辺文具、消耗品などの購入を行った。研究組織を、「距離空間の位相的研究」(田中、池田)、「距離空間と次元論」(後藤、木村)、「距離空間と関数空間」(森下)、および「距離空間と位相幾何学」(関沢、細川)に分け、それぞれの研究班で交付申請費を基本的に運営し、研究の促進と連携をはかった。以下、本研究で得られた、研究成果の概要を報告する。
研究成果として、「距離空間」の位相的研究として、(1)(基底の拡張として)k-ネットワーク理論と距離化可能問題の研究;(2)距離空間の商空間による特徴付とそれらの包括的定理の研究三;(3)点列空間(収束点列によって位相が構成されている)やその周辺の空間(例えば、k-空間)の積空間についての研究;(4)距離空間のコンパクト化と無限次元、および、距離に依存した次元の研究などに多くの研究成果が得られた。これらを、いくつかの学術論文、研究集会(京都大数理解析研究所;位相数学国際会議(島根大)など)に発表した。また、距離空間の具体例としてユークリッド空間などがあるが、その周辺において、位相幾何学の立場から、Riemann多様体に導入されたある種の計量の特性と、接球束の断面曲率の符号問題の研究(含、外国での共同研究)も行い、学術論文や研究集会などにおいて、研究成果の発表を行った。(本研究に関わる学術論文10数個程度)。
一方、位相的な教材研究として、「実数の連続性」に関連した研究を行った。微分・積分学や解析概論における実数の位相的構造(収束と連続など)を「連続公理」や「アルキメデスの公理」の立場から考察し、それらをいくつかの大学において(集中)講義した。

Research Products

• [Publications] Y.Tanaka: "Metrizability of certain point-countable unions"Scientiae Mathematicae Japonicae. 57(2). 201-206 (2003)
• [Publications] Y.Tanaka, Z.Li: "Certain covering-maps and k-networks, and related matters"Topology Proceedings. (to appear). (2003)
• [Publications] Y.Ikeda, C.Liu, Y.Tanaka: "Quotient compact images of metric spaces, and related matters"Topology and its Applications. 122. 237-252 (2002)
• [Publications] T.Goto: "On metric dimension"Journal of Saitama University (Faculty of Education). 152. 1-21 (2003)
• [Publications] T.Kimura, K.Morisita: "On Eberlein compactification of metrizable spaces"Fundmenta Mathematicae. 171. 223-234 (2002)
• [Publications] O.Kowalski, M.Sekizawa: "On Riemannian manifolds whose tangent sphere boundles can have Nonnegative sectional curvature"Universitatis Jagellonicae Acta Mathematica, Fasciculus. 11. 245-256 (2002)
• [Publications] Y.Tanaka: "Products of k-spaces"Comment Math. Univ. Carolinae. (to appear). (2003)
• [Publications] Y.Tanaka, Y.Shimizu: "Products of k-spaces, and special countable spaces"Tsukuba J. Math. (to appear). (2003)
• [Publications] Y.Tanaka, T.Shinoda: "Orderability of compactfications"Questions and Answers in General Topology. (to appear). (2003)
• [Publications] T.Kimura, C.Komada: "Closure-preserving sum theorems"Sientiae Mathematicae Japonicae. (to appear). (2003)
• [Publications] T.Kimura, C.Komada: "Special closure-preserving sum theorems"Journal of Saitama University (Faculty of Education). (to appear). (2003)
• [Publications] Y.Tanaka(J.Nagata, K.P.Hart, J.E.Vaughan, eds): "Encyclopedia of General Topology (Quotient spaces and decompositions ;分担執筆)"Elsevier, (North-Holland)(出版予定).