2002 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン面上の組み合わせ構造とモジュライ空間の位相的性質
Project/Area Number |
14540068
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (80242337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
横川 光司 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (40240189)
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Keywords | リーマン面 / 種数 / 代数曲線 |
Research Abstract |
我々は,稲妻多角形からdipoleを持つリーマン面を構成する方法を利用して,リーマン面のモジュライ空間の位相的な性質を明らかにしていくことを目的として研究している.稲妻多角形は,複素平面上のある種の図形とも,深度付きの複素数からなるある種の有限列と対称群の元の組とも解釈することができる.今年度は,深度付きの複素数からなるある種の有限列と対称群の元の組と考え,得られるリーマン面の種数について,対称群の元から,どのように決定されるかを,明らかにした.それは,まったく組み合わせ的に決定されるものであり,種数は,n次の対称群の元からあるやり方でn+1次の対称群の元を作り,その元のn+1次対称群での共役類に対応するヤング図形から得られることが分かった.この結果は,論文「Genera of Riemann surfaces constructed from lightning polygons」にまとめており,発表予定である.この結果により,種数を固定したときのdipoleを持つリーマン面のモジュライ空間の性質が,稲妻多角形から組み合わせ的に求められる状況が整備されたといえる. リーマン面は標数が0の代数曲線であるが,標数が正の代数曲線の状況を理解していくことも,リーマン面のモジュライ空間の理解にもつながる.正標数の代数曲線上の構造として,丹後構造というものがある.この丹後構造を用いることにより,少数ではあるが,小平の消滅定理が成立しない正標数の代数曲面を構成することができる.この丹後構造に着目し,我々は,新たに代数曲面上に前丹後構造という概念を導入し,それを用いて小平の消滅定理が成立しない代数曲面をモジュライ空間の中で正の次元を持つくらい多く構成することができた.この結果を論文「Pre-Tango structures on curves」に発表した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 横川 光司: "Pre-Tango structures on curves"The Tohoku Mathematical Journal. 54. 227-237 (2002)
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[Publications] 大場 清: "Genera of Riemann surfaces constructed from lightning polygons"Surikaisekikenkyusho Kokyuroku. (発表予定).