2003 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン面上の組み合わせ構造とモジュライ空間の位相的性質
Project/Area Number |
14540068
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (80242337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
横川 光司 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (40240189)
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Keywords | リーマン面 / アーベル微分 / 2次微分 / Einstein計量 |
Research Abstract |
我々は,複素平面上のある種の図形である稲妻対からdipoleを持つリーマン面を構成する方法を利用して,リーマン面のモジュライ空間の位相的な性質を明らかにしていくことを目的として研究している.稲妻対は,ある種の有限列と対称群の元の組とも解釈することができる.我々は,稲妻対から得られるリーマン面の種数が,対称群の元から,どのように決定されるかを,明らかにし,その結果を論文「Genera of Riemann surfaces constructed from lightning polygons」にまとめた.それは,まったく組み合わせ的に決定されるものであり,種数は,n次の対称群の元からあるやり方でn+1次の対称群の元を作り,その元のn+1次対称群での共役類に対応するヤング図形から得られることが分かった.この結果により,種数を固定したときのdipoleを持つリーマン面のモジュライ空間の位相的性質が,稲妻多角形から組み合わせ的に求められる状況が整備されたといえる. リーマン面上のdipoleは,第2種アーベル微分の特別なものであるが,アーベル微分を2回テンソルは,リーマン面上の2次微分になる.リーマン面上の2次微分の研究はStrebelにより,2次微分から得られるリーマン面上の特異点付き計量を通して研究されている.Strebelは,長さ無限大の水平測地線が存在しないように2次微分の変形を行うことを考えているが,我々の深度なしでの稲妻対の理論は,アーベル微分の零点を結ぶ水平地線がないように微分を変形することを考えることに対応するもであることが分かり,一般の第2種アーベル微分に対して理論が拡張できることがわかった. また,もっとも基本的なリーマン面である2次元球面に関連して,2次元球面上の3次元球面束上に,5次元AdS Kerrブラックホールの2つの地平線を近づけrescaleして極限をとることにより,可算無限個の新しいEinstein計量を構成した.(プレプリント「New infinite series of Einstein metrics on sphere bundles from AdS black holes」Y.Hashimoto, M.Sakaguchi and Y.Yasui著)
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Research Products
(1 results)