2003 Fiscal Year Annual Research Report
共形多様体とバブリング・ツリーの幾何および解析の研究
Project/Area Number |
14540072
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
芥川 一雄 静岡大学, 理学部, 助教授 (80192920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 裕介 金沢大学, 理学部, 講師 (00334954)
久村 裕憲 静岡大学, 理学部, 助教授 (30283336)
佐藤 宏樹 静岡大学, 理学部, 教授 (40022222)
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Keywords | 共形幾何学 / 山辺不変量 / スカラー曲率 / シリンダー多様体 / 指数定理 / Mass不変量 / 逆平均曲率流の手法 / 非線形解析 |
Research Abstract |
平成15年度に行った研究としては,次の3つを挙げることが出来る. 1.シリンダー的山辺不変量,オービフォールド山辺不変量の研究 なめらかなコンパクト多様体の一般化として,オービフォールドの山辺定数/不変量をシリンダー的山辺不変量を用いて適切な定義を与えた.4次元のシリンダー多様体でそのシリンダー的山辺不変量が正の場合には,Atiyah-Patodi-Singer L^2-指数定理を共形幾何的に適用でき,その値を上から評価する方法を与えた.また山辺不変量に関する小林型の不等式をシリンダー的山辺不変量に拡張し,その応用の研究をした. 2.コンパクト共形多様体のMassの研究 Mass(またはADM Mass)は,漸近的平坦な多様体に対して定義される幾何学的不変量である.正の山辺不変量を持つコンパクト共形多様体(M,C)に対して,C内のリーマン計量gとM上の1点pを選ぶことにより,ゼロ・スカラー曲率を持つ漸近的平坦な多様体M-{p}が定義され,そのMassは非負となる.この値は,計量gと点pの選び方に依存する.(M,C)の共形不変量を構成するために,M上のHabermann-Jostの標準計量g_<HJ>から始めて漸近的平坦な多様体M-{p}を構成すると,そのMassは点pの選び方に依らず一定値となる.このことを利用して,(M,C)の共形不変量としてのMassが定義される.さらに共形類Cを変数としてその下限をとることにより,コンパクト可微分多様体MのMass不変量が定義可能である.この不変量の連結和に関する小林型の不等式の研究を行った. 3.3次元多様体の山辺不変量 宇宙論における「リーマン的ペンローズ予想」の解決に用いられた中心的手法である「逆平均曲率流の手法」を応用することにより,3次元実射影空間RP^3の山辺不変量がBray-Nevesにより決定された.これは「定曲率多様体の山辺不変量に関するSchoen予想」の最初の肯定的解答である.この予想に関しては依然多くが未解決であるが,特に本研究では'RP^3と有限個のS^2xS^1の連結和多様体'の山辺不変量を逆平均曲率流の手法を用いて決定した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuo Akutagawa: "An obstruction to the positivity of relative Yamabe invariants"Math.Z.. 243. 85-98 (2003)
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[Publications] Kazuo Akutagawa, Boris Botvinnik, Osamu Kobayashi, Harish Seshadri: "The Weyl functional near the Yamabe invariant"J.Geom.Anal.. 13. 1-20 (2003)
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[Publications] Kazuo Akutagawa, Boris Botvinnik: "Yamabe metrics on cylindrical manifolds"Geom.Funct.Anal.. 13. 259-333 (2003)
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[Publications] Hiroki Sato, Changjun Li, Makito Oichi: "Jorgensen groups of parabolic type II, uncountably infinite case"Osaka J.Math.. (印刷中). (2004)
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[Publications] Hironori Kumura: "On the intrinsic ultracontractivity for compact manifolds with boundary"Kyushu J.Math.. 57. 29-50 (2003)
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[Publications] Yusuke Okuyama: "Nevanlinna, Siegel, and Cremer"Indiana Univ.Math.J.. (印刷中). (2004)