2003 Fiscal Year Annual Research Report
特殊ホロノミー多様体の幾何学とゲージ理論/重力対応
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14540073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90211870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30191117)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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Keywords | ゲージ理論 / 重力対応 / 位相的弦理論 / 行列模型 / 超対称ゲージ理論 / Gromov-Witten不変量 |
Research Abstract |
今年度は、特に位相的弦理論におけるゲージ理論/重力対応とそれに関連する研究を行った。1つめのテーマは、位相的弦理論におけるゲージ理論/重力対応に基づいてDijkgraaf-Vafaが提案した、行列模型を用いた4次元超対称ゲージ理論の有効super potentialの計算である。彼らの提案とSeiberg-Witten理論との関係・整合性を明らかにするため、行列模型におけるループ方程式に超対称性を取り入れる必要が生じた。このため、行列の固有値に着目して超対称固有値模型を構成し、その運動方程式を解析した。ループ方程式に超対称性を取り入れるという、当初の目的は達成されたが、その以外の部分に問題があり、完全に満足すべき定式化とは言えないことが判明した。これを改良することは、今後の課題として残っている。 2つめのテーマは、最近Nekrasovによって提案された分配関数で、これはSeiberg-Wittenプレポテンシャルのインスタントン展開を完全に再現する点から注目される。我々はNekrasovの分配関数が、Gromov-Witten不変量(あるいはこれと等価と見なされているGopakumar-Vafa不変量)の生成母関数である位相的弦理論の分配関数(の極限)に他ならないことを示した。局所トーリックCalabi-Yau多様体上の位相的(閉)弦理論の分配関数は、開弦との双対性から3次元球面内のHopfリンクの不変量で書き表せる。これを利用して、位相的弦理論を具体的に計算した。その結果をNekrasovの分配関数と比較することにより、関係が明らかになった。この計算の技術的な面では、共形場理論に現れる自由フェルミオン場と頂点作用素が有効に働いた。これは、背後に可積分構造が存在することを期待させるものであり、行列模型を用いた定式化が可能なのではないかと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kanno, Y.Yasui: "Harmonic Forms and Deformation of ALC metric with Spin(7) Holonomy"Nuclear Physics B. 650. 449-474 (2003)
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[Publications] H.Itoyama, H.Kanno: "Supereigenvalue Model and Dijkgraaf-Vafa Proposal"Physics Letters B. 573. 227-234 (2003)
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[Publications] T.Eguchi, H.Kanno: "Topological Strings and Nekrasov's Formulas"Journal of High Energy Physics. 12. 006 (2003)
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[Publications] T.Eguchi, H.Kanno: "Geometric Transitions, Chern-Simons Gauge Theory and Veneziano Type Amplitudes"Physics Letters B. (発表予定). (2004)