2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540087
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40107850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 昭二 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80027375)
與倉 昭治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60182680)
愛甲 正 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00192831)
赤堀 隆夫 兵庫県立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40117560)
大本 亨 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20264400)
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Keywords | CR構造 / モジュライ / 変形 / 孤立特異点 |
Research Abstract |
正規孤立特異点のモジュライを多面的に捉えるために,(1)境界CR構造による解析と(2)非特異部分の複素構造による解析と(3)特異点解消空間の複素構造による解析とを組み合わせたアプローチを行った.特に,(2)に関する解析的問題点の解消とそれに基づいたRes-関手の構成を行った.重要な部分は,複素構造による解析に現れる境界挙動の統御である.(2)においては,その境界挙動を複素構造の安定変形の視点から統御できることを示し,倉西プログラムの複素構造版を確立できた.また,それはRes-関手を正則写像の安定変形の観点から扱う際に現れる境界挙動の統御へつながるものである.(3)に関しては,正則写像の安定変形を統御する2重複体に関する解析学を確立し,通常微分形式に対して確立されていたsharp estimateを2重複体に対するものとして確立した.また,それに基づいてRes-関手の完備族構成を行った.これにより,正規孤立特異点の変形への3種類の解析的アプローチに基づく完備族構成が「安定変形」という視点の下に統一的に扱うことができ,境界CR構造の変形からのアプローチを同時特異点解消という孤立特異点のモジュライ研究では基本的なテクニックへ結びつける道が開かれた. 更に,超曲面特異点のモジュライ空間のホッジ構造に関して,境界CR構造の観点からの解析を行った.これは,正規孤立特異点の境界上のCR構造の変形空間をそのホッジ構造から捉えるもので,90年代に行った研究では特異点のモジュライとの関係が明確にされていなかった.本研究では,典型的な超曲面特異点に関して,特異点のモジュライとの関係を明らかにできた. 更に,最近シンプレクティック幾何学の観点から注目されている超曲面特異点のモジュライ空間の平坦接続構造について,境界CR構造の観点からの考察を行った.
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