2004 Fiscal Year Annual Research Report
指数定理を中心とする非可換幾何学の研究と低次元多様体論
Project/Area Number |
14540089
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森吉 仁志 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00239708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
亀谷 幸生 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70253581)
楯 辰哉 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 助教授 (00317299)
夏目 利一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00125890)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
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Keywords | 非可換幾何学 / 指数定理 / スカラー曲率 / 巡回コホモロジー / K理論 / エータ不変量 / 葉層構造 / C^*環 |
Research Abstract |
本研究目的に関し,今年度は次の成果を得た.2004年6月27日〜7月6日にPaolo Piazza (Universita di Roma "La Sapienza")をパリに訪問し,境界つき葉層多様体上の指数定理およびエータ不変量の研究に関して大きな進展を得た.また被覆空間上の被覆変換群作用に関してTwisted Γ-index theoremを証明した.詳しくは次のとおりである:変換群Γをもつ正規被覆空間M→M/ΓとU(1)に値をもつΓの2-コサイクルσをとり,σで捻ったΓのC^*群環C^*(Γ,σ)を考える.ここでσが実数値の2-コサイクルcに持ち上がっていると仮定する.即ちexp(√<-1>c)=σである.このとき微分型式Ω^q(M)を係数加群とする群Γの二重チェイン複体C^p(Γ,Ω^q(M))において,cはΓ不変なM上の2型式ωとコホモローグになる.さらにσが定める中心拡大Γ^^^に関して,積束L=M×C上にΓ作用と両立するΓ^^^作用が定義され,この作用に関して不変な接続∇が存在する.ここで次の定理が成り立つ.:上記の直線束Lに係数をもつDirac作用素をD^∇とするとき,IndD^∇∈K_0(C^*(Γ,σ))であり;TをC^*(Γ,σ)のトレイスとしR=∇^2=√<-1>ωとすると,τ(IndD^∇)をA^^^(M/Γ)およびRで表す指数公式が存在する. この定理の応用として次の結果が成り立つ:シンプレクティック閉多様体Mがaspherical,即ちその普遍被覆空間が可縮ならば,Mは正スカラー曲率をもつリーマン計量を許容しない.ここでMはスピン多様体でなくともよい点を注意しておく.この結果は,任意のclosed aspherial manifoldは正スカラー曲率をもつリーマン計量を許容しないだろうというGromov-Lawson予想の部分的解決になっている.
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Research Products
(2 results)