2002 Fiscal Year Annual Research Report
空間の代数的モデルを用いた微分(コ)トージョン積の解析
Project/Area Number |
14540095
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
栗林 勝彦 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (40249751)
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Keywords | 微小トージョン積 / スペクトル系列 / TV-モデル |
Research Abstract |
単連結空間B, E, X及びファイブレーションp:E→Bさらに連続写像f:X→Bを考える.またKを任意標数の体とする.これらの空間と写像から定義される微分トージョン積Tor_<c^*(B;K)>(C^*(E;K), C^*(X;K))を,空間の代数的モデルの一つであるTV-モデルを用い考察することが平成14年度の研究目標であった.このトージョン積はファイバー積のコホモロジー環H^*(EX_BX;K)に収束するEilenberg-Mooreスペクトル系列(EMSS)のE_2-項であるため、その解析は同時にこのスペクトル系列の自明化問題にも応用されることが期待されている.TV-モデルの考察結果として、B,E,XがすべてK-フォーマルであると仮定した場合に、先のEMSSが自明になるための十分条件を幾つか導き出すことに成功した.その条件の一つは写像f,pの情報に依らず空間のモデルに現れる性質により記述されるため、これにより例えば次のような結果を導くことが出来る:次数の異なる2つの球面の直積に、ホモトピー同値な単連結コンパクトRiemann多様体Mを考える.このときM上の任意の等長変換は無限個の不変測地線を持つ. 上の結果は微分トージョン積のベクトル空間としての情報から得られるものであるが、さらに進んでFelix, Halperin, ThomasによるTV-モデルの自由拡大り概念を用い、Tor_<c^*(B;K)>(C^*(E;K),C^*(X;K))の代数構造までを記述する代数的モデルを構成することが可能になってきた.またNdombol, Thomasによるshc-極小モデルを利用することによりEMSSの代数的モデルを構成するに至っている.こうした代数的モデルの具体的計算への応用は続く年度への課題となっている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsuhiko Kuribayashi: "The cohomology of a pull-back on K-formal spaces"Topology and Its Appllications. 125. 125-159 (2002)
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[Publications] Katsuhiko Kuribayashi: "On the Betti number of the space of invariant paths on the space whose cohomology is the exterior algebra with two generators"Topology and Its Applications. 125. 161-170 (2002)
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[Publications] Katsuhiko Kuribayashi: "Module derivations and non triviality of an evaluation fibration"Homology, Homotopy and Applications. 4. 87-101 (2002)