2003 Fiscal Year Annual Research Report
仮想領域と超関数を用いた差分法の数学解析とその数値シミュレーションの研究
Project/Area Number |
14540103
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
腰越 秀之 千葉大学, 工学部, 助教授 (70110294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水藤 寛 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10302530)
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Keywords | 仮想領域 / 差分法 / 超関数 / transmission / 沿岸生態系 / 数値シミュレーション / 自由表面 / 数値計算法 |
Research Abstract |
15年度の研究課題に対する研究成果は次の通りである。 1.仮想領域と超関数を用いた差分法の数値計算と超関数論的数学解析の研究。 本研究は、差分法による数値計算を「超関数の意味での偏微分方程式の近似解として、局所可積分な数値解を求める」という立場から行われた。この点で、2つの媒質から構成されている媒質間を接合境界条件(Transmission condition)で結んだ数理問題に対する数値計算法の開発に成果を得た。その数値計算アルゴリズムの構成では、前年度の成果である離散化方程式の超関数表現とそれをsuccessive elimination of linesの直接法とを結合させた。また、数値計算の実行では、それがうまく機能することを示した。更に、差分解を局所可積分な関数として定義することによって、それが超関数の意味で偏微分方程式の解に収束することを示した。これによって、今後、差分法は超関数の枠組みで論じる基礎ができた。 2.応用数理分野では、沿岸生態系モデルの定式化とその数値シミュレーションの研究・開発。 仮想領域法を用いて自由表面問題の数値計算を行った。具体的にはタンカー事故等による流出原油の流動シミュレーションと、ある装置によって引き起こされる湖沼内流れの数値シミュレーションである。それらの研究成果は、環境問題への対策として有用な知見を得ると共に、仮想領域を用いた数値計算法の研究に新しい展開の可能性を示すものになっている。 以上の研究成果は、国際会議や国内の学会・研究集会で発表されるとともに、沿岸生態系の研究では本の出版に寄与した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Koshigoe: "Direct Method for Solving a Transmission Problem with a Discontinuous Coefficient and the Dirac Distribution"Computational Science - ICCS 2003. Part III. 388-398 (2003)
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[Publications] H.Koshigoe: "Direct Solver on FFT and SEL for Diffraction Problems with Distribution"Computational Science - ICCS 2004. Part II(to appear). (2004)
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[Publications] 大井 章弘: "FFTを用いた2層拡散方程式系の数値計算-気温の逆転現象-"応用数学合同研究集会報告集. 147-150 (2003)
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[Publications] H.Suito: "Numerical Simulation of Spilled Oil by Fictitious Domain Method"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. Vol.21,No.2(to appear). (2004)
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[Publications] 水藤 寛: "湧昇循環装置によって誘起される湖沼内流れの数値シミュレーション"岡山大学環境理工学部紀要. 65-68 (2003)
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[Publications] E.Baba: "Waves and Tidal Flat Ecosystems"Springer. 164 (2003)