2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
間瀬 茂 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (70108190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 敬文 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (60334546)
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Keywords | マーカー遺伝子 / ゲノム解析 / 遺伝連鎖解析 / Loopy Belief Propagation / アルゴリズム / 確率ネットワーク / 家系図 / 多座位遺伝子データ |
Research Abstract |
三ヶ年計画の初年度として、今年度はマーカー遺伝子情報を用いた既存の遺伝連鎖解析理論の現状と問題点を洗い出す作業を基本とした。その結果、連鎖解析の代表的ソフトウェアであるGENEHUNTERを始めとする既存手法は、可能な遺伝子の全ての可能な組合せから、総当たりで観測データと矛盾しない遺伝子の組合せを探るやりかたが主流であり、家系図メンバーと関係座位数の増加に原理的に対応できないものであることが分かった。そのため要因数の増加による組合せ論的困難を克服する新しい方法論が必要となることを確認した。 解決策として、最近計算科学で注目されている確率的ネットワークに対するLBP(Loopy Belief Propagation)アルゴリズムを、確率的ネットワークとみなした家系図の解析に適用することを試みた。 LBPアルゴリズムはノードが確率変数であり、確率変数間の依存関係をノード間の辺で表したモデルであり、既に多くの応用分野に登場する基本的統計モデルである。 LBPアルゴリズムは確率変数ネットワークのノード数に比例する計算量で、各ノード毎の情報を計算することが可能な手法で、人工知能、コーディング理論を始めとする計算科学の幾つかの分野で組合せ的困難を克服する画期的手法として注目を浴びている。 連鎖解析にLBPアルゴリズムを適用するための試行的研究の一部は、今年度の修士論文として発表されたが、結論として十分実用的であるばかりか、高速計算機で長時間の計算を必要とした既成結果とほぼ同一の結果を、驚異的な計算効率で計算可能であることが確認された。現在、来年度以降の本格的なプログラム化と論文発表を目ざして準備中である。
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Research Products
(2 results)