確率過程および情報理論の研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14540111
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 井原 俊輔 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (00023200)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 潤也 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教授 (20235352) ; 松原 洋 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教授 (30242788) ; 松本 裕行 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (00190538) ; 築地 立家 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (70291961)
• Keywords: ガウス型通信路 / 情報源符号化 / 通信路符号化 / 再帰時間の漸近挙動 / 大偏差定理

Research Abstract

前年度に引き続き、確率過程および情報理論の研究をすすめ、以下に述べるような研究成果を得た。
1.フィードバックのあるガウス型通信路における誤り確率の研究
フィードバックのある白色ガウス型通信路の場合には通信時問を大きくするとき、誤り確率は極めて速く(任意のオーダーでの多重指数関数的に)零に収束することが古くから知られている。しかしその詳細な証明は知られていない。我々は、離散時問、連続時問、各々の場合にこの事実に対する新しい証明を与えることが出来た。
2.歪みを許す情報源符号化における誤り指数の研究
歪みを許す情報源符号化を考える。符号化レートが情報源のレート・歪み関数より大きければ、最適な符号化の下では、予め指定した歪みレベルを超える確率は符号長とともに零に収束する。Marton (1974)は有限アルファベット定常無記憶情報源の場合にはこの確率が指数関数的に零に収束することを示し、その指数係数を求める公式を与えた。我々は2000年に、ガウス定常無記憶情報源の場合にこの指数係数を具体的に求め、この場合にもMartonの公式が成り立つことを示した。今回は、有限アルファベットと限らない一般の定常無記憶情報源の場合考え、有限アルファベットの情報源で近似することにより、Martonの公式は一般の定常無記憶情報源に対し成り立つことを示した。
3.大偏差定理の情報理論への応用
確率論における大偏差定理の情報理論における極限定理への応用についての研究も進展しつつある。

Research Products

• [Publications] S.Ihara, Lin Gui Xin: "Error exponents for discrete-time white Gaussian channel with feedback"Proc.Meijo Winter School on Quantum Inform.and Complexity. (To appear). (2004)
• [Publications] S.Ihara: "Information transmission over Gaussian channels with feedback"Proc.Third Asian-European Workshop on Inform.Theory. 53-56 (2003)
• [Publications] 久保仁, 井原俊輔: "定常無記憶情報源の有歪み符号化における信頼性関数"第26回情報理論とその応用シンポジウム. 149-152 (2003)
• [Publications] H.Matsumoto, M.Yor: "Interpretation via Brownian motion of some independence properties between GIG and gamma variables"Stat.Prob.Lett.. 61. 253-259 (2003)
• [Publications] H.Matsumoto: "On Dufresne's relation between the probability laws of exponential functionals of Brownian motions with different drifts"J.Applied Probability. 35. 184-206 (2003)
• [Publications] Y.Matsubara: "Stationary preserving ideals over Pk λ"J.Math.Soc.Japan. 55. 827-835 (2003)