2002 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム媒質中のランダムウォークに関する大域的性質
Project/Area Number |
14540126
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱名 裕治 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00243923)
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Keywords | ピン留めランダムウォーク / 訪問点 / 大数の法則 |
Research Abstract |
ランダムウォークの訪問点の個数やWiener sausageの自由エネルギー関数の具体形を求めるためには,ピン留めランダムウォークの訪問点の個数やピン留めWiener sausageの体積に関する大域的な性質を調べる必要がある.ピン留めシンプルランダムウォークの訪問点の個数に関しては終点が原点である道についての平均の挙動や分散の挙動が得られた.この場合,ピン留めされていないランダムウォークのときと比較して平均の主要項は変わらないことがわかるが,分散は技術的な問題からか多少荒い評価しか得られていない.しかし,大数の法則を証明するには十分な評価でありしたがってこれら系として大数の弱法則が得られた.さらに,終点が一般の点のときにはその終点があまり遠くにない場合には同様の方法で示されることがわかりやはり大数の法則を得ることができる.挙動も次元が高いときには終点が原点である場合と変わりはない.しかし,2次元の場合には若干の違いが見えてくるところが興味深い. また,大偏差原理についても部分的に結果が得られるが,これはピン留めされていない1次元ランダムウォークの訪問店の個数についての大偏差原理の証明で用いられた議論を本質的な部分は変えずに修正すれば得られることがわかる.しかし最終的な詰めの部分が残っておりその解決にはかなりの時間を要するものと思われ,今後の課題となった. 本研究で得られた大数の法則を公表するための論文の執筆の準備にはいった.
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Research Products
(1 results)