2004 Fiscal Year Annual Research Report
反復計算過程を有する非線型発展方程式の数値シミュレーションの精度向上
Project/Area Number |
14540129
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
畑上 到 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50218476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
税所 康正 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70195973)
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Keywords | ランダム項 / 確率差分方程式 / リアプノフ指数 / 流体シミュレーション / 移動境界問題 |
Research Abstract |
発展方程式の数億解の信頼性の向上を目的として,誤差による解の構造の変化を明らかにし,反復計算における解の収束する上で判断すべき条件の設定や,収束速度の高速化についての考察を行った.特に本研究では,ランダムな様式での誤差の流入に対して,数値解の構造がどのように変化するかについて,比較的単純な非線型発展方程式系を離散化した差分方程式系に対して,確率論的および力学的な見地から理論的考察を行い,同時に数値実験をおこなうことによって,その理論の正当性を実証することを試みた.さらに実際の工学への応用に理論を適用する目的で,流体シミュレーション計算における反復過程における収束段階で移入する誤差の数値解の構造に与える影響を明らかにする試みを行った.また以上の方法論をもとに,それらを現実の流体計算に適用し,数理物理的な現象の解析を行った. まず確率差分方程式の平均値としての力学的挙動がもとの差分方程式の構造とどのような差異があるかについて理論的に考察し,決定論に従う差分方程式と同じパラメータをもつランダム項が付加された確率差分方程式では,ランダム項の分散の大きさによっては,平均値として異なる構造を持つことが示唆された.さらにその手法を基にして,決定論とは異なる観点からリアプノフ指数による安定解の構造についての新たな知見を得た.また,その結果を実際の流体シミュレーションにおける反復解法の収束条件の依存性という形で実証した.特に,移動境界問題という強い複雑性を有する流れ問題について,その解の信頼性を向上させ,現実の不安定振動に対する詳細な知見を与えた.
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Research Products
(3 results)