2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応拡散系における非線形構造と解の多様性発現の数理的研究
Project/Area Number |
14540143
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
細野 雄三 京都産業大学, 工学部, 教授 (50008877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻井 芳樹 京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
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Keywords | Lotka-Volterra競争系 / 進行波解 / 特異摂動法 / Hopf分岐 / 2種捕食者-餌食系 / 相空間解析 / ヘテロクリニックサイクル / 極限周期軌道 |
Research Abstract |
本年度は、(1)Lotka-Volterra2種競争系において、共存状態が安定な場合に開放空間への侵入を記述する進行波解についてこれまでの研究に基づいて考察した。先に侵入に成功した種の後から他の種の侵入が進入する場合、先に進入した種の速度は後から侵入する種の速度より遅いことが線形予測推測されるが、長時間の数値シミュレーションの結果後から侵入した種がスピードアップして同じ速度で2種が伝播する場合があることが明らかになった(研究集会「数理科学とその環境問題への応用」2002年11月15-16日にて口頭発表)。しかし、その数学的解析は今後の課題である。 (2)3種ロトカ-ボルテラ競争系において、2種競争系では見られない極限周期軌道やヘテロクリニックサイクルが現れる数学的構造を解析的、数値的に研究した。まず摂動パラメータを導入し3種ロトカ-ボルテラ競争系の解の様相を、対称性をもった巡回行列モデルについて、May-LeonardおよびZeemanによって得られた結果に基づいて(1)共存平衡点の安定性、(2)Hopf分岐が起こること、を解析的に証明しその摂動パラメータ依存性を明らかにした。また、対称性をもたない巡回行列モデルについて(3)周期解の安定性とその追跡を数値的方法(AUTO)により明らかにした。その結果に基づいて、3種ロトカ-ボルテラ競争系を特異摂動法により次元の低い力学系に帰着し、2種捕食者-餌食系との関係を構成的に論じ、共存平衡点が安定な場合には2種捕食者-餌食系に帰着できることを数値的に示した。さらに、拡散をともなう場合について、3種ロトカ-ボルテラ競争系とそれから導かれる2種捕食者-餌食系において、個体群の空間的な分布パターンの時間的挙動について数値実験を行ない、比較検討し、ともに同じような挙動を示す結果を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Hosono, H.Kawahara: "The propagation speeds of travelling waves for higher order autocatalytic reaction-diffusion systems"京都大学数理解析研究所講究録. 1258. 131-141 (2002)
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[Publications] Y.Hosono: "Travelling waves for diffusive Lotka-Volterra competition models I-A singular perturbation approach"DCDS Series B. 3・1. 79-95 (2003)
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[Publications] M.Yasugi, Y.Tsujii, T.Mori: "Metrization of the Uniform Space and Effective Convergence"Mathematical Logic Quarterly. 48. 123-130 (2002)
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[Publications] M.Yasugi, Y.Tsujii: "Two Notions of Sequential Computability of a Function with Jumps"Electronic Notes in Theoretical Computer Science. 66・1. (2002)