2002 Fiscal Year Annual Research Report
マーサー型・タウバー型定理と確率ファイナンス過程の解析
Project/Area Number |
14540147
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 昭彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50168431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 敏夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70229657)
新井 朝雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134807)
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Keywords | フラクショナル・ブウウン運動 / 予測理論 / 長時間記憶 / 記憶を持つ資産過程 |
Research Abstract |
井上はAnhと共同で、fractionalブラウン運動タイプの定常増分過程の二つのクラスを導入した。最初のクラスは、ハースト指数Hが1/2より大のfractionalブラウン運動を典型的な例として含む。このクラスに属する確率過程は長時間の記憶を持つ。2番目のクラスは、ハースト指数Hが1/2より小のfractionalブラウン運動を典型的な例として含む。そして、この二つのクラスに属する確率過程に対して、無限および有限の過去からの線形予測公式を証明した。予測係数は、無限次のAR及びMA係数を含む無限級数により明示的に表現される。有限の過去からの予測の方は特に難しい問題であるが、井上により導入された過去未来法という独自の方法を用いて証明した。 井上はAnhとPeseeと共同で、井上とAnhが導入した記憶を持つ危険資産過程を現実のデータに当てはめる研究を行った。データとしてはS&P500などを用いた。そして、マーケットが安定の時には、非常によくフィットさせることができることを見出した。パラメータ推定に於いては、非線形最小2乗法を適用した。 井上は笠原と共同で、離散時間の定常過程の偏相関関数に対する新しいタイプの表現定理を証明した。以前に井上が証明した、偏相関関数の表現定理は、二つの関数の比として表されたいたのに対し、新しい表現定理は比を用いずに非常に簡単な形をしている。証明には、過去未来法を用いた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Ishii: "A level set approach to the wearing process of a nonconvex stone"Calculus of Variations and PDEs. (発売予定).
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[Publications] A.Inoue: "Partial autocorrelation functions of fractional ARIMA processes with negative degree of differencing"J.Multirariate Anal.. (発売予定).
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[Publications] T.Mikami: "A uniqueness result on Cauchy problem related to jump-type Markov processes with unbounded characteristics"Stoc.Anal.Appl.. 20. 389-413 (2002)
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[Publications] H.Ishii: "A two dimensional random crystalline algorithm for Gauss curvature flow"Adv.Appl.Prob.. 34. 491-504 (2002)
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[Publications] T.Mikami: "Optimal control for absolutely continuous stochastic processes and the mass transportation problem"Elect.Comm.in Probab.. 7. 189-203 (2002)
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[Publications] A.Inoue: "Asymptotic behavior for partial autocorrelation functions of fractional ARIMA processes"Ann.Appl.Probab.. 12. 1471-1491 (2002)