2002 Fiscal Year Annual Research Report
遅れを持つ微分方程式における概周期解の存在定理の研究
Project/Area Number |
14540152
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 靖則 千葉大学, 理学部, 助教授 (60224028)
石村 隆一 千葉大学, 理学部, 教授 (10127970)
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40125901)
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60004446)
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Keywords | 関数微分方程式 / 安定性 / スペクトル / 概周期解 / 周期解 |
Research Abstract |
本研究では、無限遅れを持つ関数微分方程式及び関数偏微分方程式の安定性と周期解・概周期解の存在定理の研究を行なった。その具体的目標は次の4つである: [1]関数微分方程式および関数偏微分方程式の相空間による分類。 [2]全安定の同値性とリアプノフ関数の構成および周期解・概周期解の存在。 [3]無限次元におけるフロッケの定理。 [4]無限次元における積分微分方程式における概周期解の存在。 今年度の大きな成果は抽象的空間上で定義された遅れを持つ線形微分方程式における相空間上での定数変化法の構築である。今まで多くの人が与えた定数変化法の公式は不十分であったり誤っていたりしてこの分野の研究の発展を阻んでいた。我々の与えた定数変化法の公式はこの分野における安定多様体や中心多様体の存在を議論することが可能になった意味においても大変満足のいくものである。 この公式を用いて我々は概周期解の存在定理を議論した。それには相空間を安定多様体と不安定多様体の直和に分解することによって相空間上の議論を射影された二つの空間上で議論できたことである。特に不安定多様体は有限次元になることから、ここでは常微分方程式の知識を生かすことができた。
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[Publications] Y.Hino, S.Murakami, N.V.Minh: "Decomposition of variation of constants formula for abstract functional differential equations"Funkcialaj Ekvacioj. 45. 341-372 (2002)
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[Publications] Y.Hino, S.Murakami, T.Naito, N.V.Minh: "A variation-of-constants formula for abstract functional differential equations in the phase space"J. Differential Equations. 179. 336-355 (2002)
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[Publications] Y.Hino, S.Murakami: "Limiting equations and some stability properties for asymptotically almost periodic functional differential equations with infinite delay"Tohoku Mathematical Journal. 54. 239-257 (2002)
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[Publications] T.Naito, N.V.Minh, J.S.Shin, Y.Hamaya: "Boundedness and almost periodicity in dynamical systems"J. Differential Equations and Applications. 7・4. 507-527 (2001)
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[Publications] Y.Hino, T.Naito, N.V.Minh, J.S.Shin: "Almost Periodic Solutions of Differential Equations in Banach space"Taylor and Fishers. 247 (2002)